───────────────── 20代後半 身長165㎝ 【蒼海の国】出身。遠い異国の地で戦死した父の痕跡を辿る女性。 母は本人が物心付く前に病死。父は嘗て冒険者だったが、自身が産まれた事で安定した収入を求めて水兵になった。故に自分が生まれてきたことで父が死ぬ原因を作ったのでは無いかと思い悩む事もあったが、生前の父が自分の事を大切にしてくれていたことも理解しており、自分を否定すると父が幸せだと笑った思い出を否定する事にもなるのでやめた。 本人曰く、生前の父は「ジョリジョリしてた!」との事。父の冒険譚を聴きながら眠るのが好きだった。願望成就までに訪れる試練や過程を楽しむ父を見習い、父が通ったであろう、幾つもの国を遺品のコンパスと共に巡る。1人だけれど、なんとなく1人じゃない。永遠の別れを告げる為に再会を目指す。寂しいけれど、どこか暖かな冒険譚。 あまり細かい事は気にせず、あるがままの今を愛し、楽しむ事が未来に繋がっていくと信じている。 ───────────────── 【不思議なコンパス】 父の遺品。何があっても無傷なままの不思議なコンパス。戦地に行く前日に父からカイヤへと託された。父曰く、「全ての海を股に掛けた伝説の海賊が残した逸品」。真偽は定かではない。だが多少迷い道はするものの、女性1人の身でも死を覚悟するような目に遭遇する事が無かった為、実力は本物である可能性が高い。光ってカッコいいのが素敵ポイント。父が素敵な旅路を伝えてくれているようで、そして光の先で父が待ってくれているような気がする。 【素敵なステッキ】 何処の国かは忘れてしまったが、カイヤが蚤の市で購入した、恐らく木製の杖。カイヤの気分に合わせて形状やデザインが変化し、破損・紛失したかと思えば、いつの間にか無傷のまま戻って来ている。振ると素敵な事が起こる等、楽しい事が大好きなカイヤお気に入りの逸品。故に【素敵なステッキ】との名前を付け、愛用している。 ───────────────── ──その杖の本当の名前を知る者は、もうこの世には居ない。それは多くの権力者達の手に渡り、全ての願いを叶え続ける杖だった。 それは厄災の中心に存在する杖だった。杖を手にした者は王となり、多くの国は栄え、やがて願いは歪み、そして滅んだ。 ……本来であれば人が手にして良い代物ではない。権力争いの中心で流れた血を啜り、人々の醜い願望を一身に受け続けた呪われし杖──の筈だった。 手にすれば何でも叶う。だがカイヤは本能的にそれを望まず。成就までの道程を楽しみ、願いは自らの力で叶える物だと、叶わなくても素敵なものである事を知っていた。故に、なんとなくリボンを巻いてみたり、花で飾ってみたり。【素敵なステッキ】と呼んで友達代わりにしてみたり、手品のような小さな奇跡を起こして子供達を笑顔にしてみたり。 カイヤの『望まず、あるがままを楽しむ姿勢』は血に塗れた呪いに変化を与えた。手にした者全ての願いを叶えるだけの存在は、初めて『誰か』を願った。 これは永遠の別れを告げる為に再会を目指す女性──カイヤと、多くの願いを叶え続けて歪んだ身を抱えながらもカイヤと共に歩む為、彼女だけの【素敵なステッキ】であり続ける事を願った杖の物語。