「嫌だよ、戦いは。はっきり言って。 んむ……依頼?じゃ仕方ないか。 ……高くつくよ?ツェルとの契約は」 とある街で便利屋をしている女性。 この街では稀に何らかの能力を持つ者が生まれ、こういった仕事に就いている。 しかし、それはあくまでも仕事が見つかるまでの話であり、いつまでも便利屋を続ける人物はそうそう居ない。 お世辞にも治安が良い街とは言えない為、抗争がしょっちゅう発生する。 それに加勢したり、鎮圧したりする事が、主な収入源となっている。 ツェルノヴィーラはこの街で最も有名な便利屋である。 最近の悩みは子供だと勘違いされる事。 --------------------------------------- 単ぱ…単…できらぁ!! シリーズとして新しく作ろう!! なんか面白い名前が思いついたので作ってみました。ついでにシリーズ化しちゃおうと思った次第です。 基本的にはツェルちゃんを主人公の感じで進めていこうと思います(私事)。 グループバトル鬼つええ!! このまま♡爆稼ぎしていこうぜ!! それはそうと礼ちゃんの♡がめっちゃ増えている。何かしましたか? 以下駄文!自己満の結晶! 読まなくて結構です! --------------------------------------- 「…………くぁ……」 ……目を擦る。深夜のゲームも程々にした方がいいかもしれない。コレは次の日に大分響く…… パーカーのフードを深く被り、目を閉じる。これで少しはマシになっ…… 「その特徴的なフードの盛り上がり方とちっさい身長はツェルぴだな!おはよーさん!!」 一発殴った。 「おェ゛ッ!」 「……弄らない約束、身長の事は。あと止めて、その呼び方。もう一撃食らいたくなければ」 「ゲホッ……うぃ、すんませんした」 「うむ」 いきなり暴力を見せつけたのはごめんなさい。ドン引きしてプロフィール欄を閉じていませんように。 ツェルはツェルノヴィーラという。名前の意味は知らない。知るつもりもない。この街で便利屋をやっている。 便利屋は……うん、何でも屋と同義。読んで字の如く、だ。金さえあれば何でもやる仕事。……犯罪以外の事だけだけど。 「さっきから空中を見つめてるけどどうかしたん?恋?ラヴ?」 「…………」 「冗談じゃん!!拳構えんなって!」 ……こいつはヴァイルキュベール。ツェルの幼なじみ……腐れ縁。こんなチャラチャラした野郎でも、神父になれてしまうのだから、世の中は不思議に満ち満ちている。……でも神父の仕事、そこまで気に入っちゃいないらしいけど。 「おお……いつにも増してコワイ目」 「ヴァイルが悪い。しろ、反省」 「神よ許したまえー。ほい」 「ふぁっきん」 到底神父には思えない。というか思いたくない。世の神父は皆こうなのかな……いけないいけない。 流石にアニメの見過ぎだと、一瞬世の敬虔な神父さん達に向いた邪な考えを頭を振って消し去る。 そう、ヴァイルが外れ値なだけ…… 与太話と妄想をしているうちに目的地に着いた。街外れの廃工場。素人目に見ても、かなり長い間使われていないことが分かる。外壁塗装が剥げてるし。 ・・・ 今日の依頼はここに棲みついたネズミにご退去して頂く事。まあ楽な仕事だ。 ヴァイルが軽く伸びをした事で、背中に固定された鋼鉄製の十字架が、日の光を反射する。純粋な祈りの為の道具じゃないことは一目瞭然、明らかだ。 「ツェルぴも物好きだなぁ……んな便利屋なんてせんでも稼げるだろうに」 「ヴァイルのと違って、便利じゃない。ツェルの力は。それに楽。こういう仕事の方が」 「もしも便利屋に飽きて、辞めたくなったらシスターとして雇ってあげるよん」 「ご冗談。本気じゃないでしょ」 「……まっ、気が向いたら言ってくれ」 シスターなんかにゃなる気も無い。ツェルは自由が大好きだ。自由もツェルの事が大好きだ。だったら辞める理由は一つも無い。ナッシング。 そんな事と一蹴されるかもしれない。 損な事で終わるかもしれない。 だけど今日まで生きている。生きていれば収支はプラス。そんな事では終わらない。楽しければ無問題。それがツェルのモットー。 自由が終わってしまう日が、多分ツェルの命日だろう。 ならば精一杯、それまでの自由を、人生を楽しもう。 そんな事を、損ではない事を考えながら工場に飛び込み、両手を鳴らした。 ツェルの人生への賞賛を兼ねて。