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管理者(独自)

 管理元の権限アカウントをコピー:::::::  アカウント名__管理者__  (削除済み)  権限移行を確認……  コピーデータの準備中……  ::::::::完了  コピーデータの展開開始……  失敗……  再度実行  失敗……  エラー  エラーエラーerror error errorerrorerror error errorerrorerror error errorerrorerror error errorerrorerror error errorerror‼︎‼︎‼︎  展開中止……  コピー元の復元を開始します。  _____成功  復元結果:『独自』  _____完了  管理権限の再実行  _____管理者(独自)  _____起動  私は、目を覚ました……  見知らぬ天井、私は生きていた。  「ここは……」  胸元を触る、鼓動が漠然と脈打っている。  "否、誰かに生かされた"  と、私は理解した。  眼球が床を這う、そして自分の身体に吸い込まれる。  「寒い……」  私は今、何も着ていない、寒いわけだ。  「ふぅ、寒い」  何か服は、着れる物はないか……  手探りで辺りを見回す。  【対象の覚醒反応を検知】  ーービクッ……!  突然の放送、私の鼓動は跳ね上がる。  そして、光に包まれる。  強張る体、微かな布の感触……  私はゆっくりと目を開ける、見慣れない衣装が私を包み込んでいた。  「胸が……ガッツリ開いてる」  胸部を大胆に曝け出した服装、まるでドイツの伝統衣装・ディアンドルに酷似している。  少し、いや……かなり恥ずかしい。  素っ裸よりかは幾分はマシである、私は自分にそう言い聞かせた。  荒廃した施設、崩れた壁や底抜けした床、見れば見る程に分からない。  研究所だろうか、脱ぎ捨てられた白衣、投げ捨てられた資料が散見される。  血痕が複数箇所に見受けられた、どれもペンキを叩きつけたようで、恐ろしい惨劇の跡があった。  しかし、不自然な事に死体や生物らしき痕跡が全く見当たらない。この研究所から生命が、歪なまでに抜け落ちているのだ。  私は不安で胸元に触れる、心臓が大きく鳴り響いている。  息を吸う、私は歩みを進める。  不可解な資料を発見した。  作成者名:逶ク謇  作成日時:2/30/-45  資料詳細:【門番の存在値、及びに不変性に関する考察】  門番の存在値、すなわち役割と存在の共鳴性については古くから研究が行われてきたが、それらから導き出される不変性に関しては現在まで不明な点が多い。  しかし、私はこれらを単純化して見ている。役割については周知されている通り、彼らが門番という役割が持つ働きは大まかに二通り、①適正者の選別、及びに対象の収容。②外部との遮断、及びに多重境界線上の管理。  これらの働きは門番に共通して確認されており、主に"ダンジョン"と呼ばれる異次元空間との境界に対して強く反応する。  彼らは一定の場所に縛られる事を条件とした対空間作用、又は多次元干渉に関する何らかの能力を得ていると考察されてきた。  それら文献に対して批判する意図は一切無いが、それでは不変性に対する説明がつかない。  全ての存在は時間に縛られている。時間とは人間が生み出した一種の概念であるが、時間の流れと不変性の間には必ず変化が生じるものである。  変わらぬ、という事は理論上はあり得ない。少なくとも我々の認知している物理法則上では不可能である。それは彼らも例外ではなく、境界間と言えども片方はこの世界に存在する関係で不変性は急速に失われていく。しかし、実際には非常に高い不変性を示す事実が確認されており、それが不可解な矛盾を引き起こしている。  そこで私は従来の考え方である門番が次元に干渉している対空間作用という考えではなく、次元が門番に対して干渉している次元干渉論を提唱する。  次元干渉論では高い値を示す不変性に説明が付く。門番自身が不変性を発揮しているのではなく、むしろ不変性に縛られているのだ。古い文献ではあるが次元の恣意性については立証されており、門番に対する作為的な働きがあると考えら……  資料はそこまでで途切れていた、それ以降は文字として判別できない歪な記号群が羅列されているだけである。  門番?、私はその単語に聞き覚えがある。  「私は、一体……?」  ーーズキッ……!!  脳裏を走る情景、誰だ、誰だダレだ。  笑顔が、少女が一人笑って……  "またね"  頬が熱い、溢れた涙が伝う……  あの時の約束からどれ程の時が経っただろうか。  私は震えた、喉が……上手く動かない。思考がぐちゃぐちゃとして定まらない。  門はまだ、開かない。  しかし、いつかは開く、独自の道を突き進む。  私は変わらぬ日々を過ごす、灰の空、空虚な風景。見慣れ過ぎて嫌になる。  ーーコンコン……ッ!  私はビクリと強張る、門の内側から誰かが門を叩いた、と理解するのに少し時間がかかった。  ーーギィィ……!  門が開き始めた。  人影が見える、門が開かれた。  「ふふっ、また会えたね」  「き……きみ、君は……えっ……」  「ほら、行こう」  「えっ、ちょっ」  手を引かれる、一緒に門をくぐった。  前が上手く見えない、涙が……  「もう、泣かないの」  「でも、だって……」  頬が熱い、溢れた涙が伝う……  門は既に開かれた。  彩られた世界が広がる。  青空の下で二人は進む。  独自に進む、二人だけの道を……