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【正体不明の大怪盗】シャンク

───────────────── 信じようと信じまいと── 【摩天楼の国】の美術館で無くなった美術品が元の位置に戻っていたとの不可解な通報が入った。警察による捜査を以ってしても、戻った美術品がいつ無くなったかすら分からず、多くの探偵も捜査に加わったが事件発生日すら誰1人証明出来る者は居なかった。よって初めから事件は起きておらず、犯人は『居ない』との結論に至った。 信じようと信じまいと── 【絢爛の国】でも、いつ無くなったかすら分からない美術品が戻ってくる現象が起きた。その現象は世界中のミステリー・オカルト愛好家達を刺激し、やがて誰が付けたか分からないが、その現象に名前が付いた。今宵も居もしない犯人が現れ、起きていない事件が起きたという。 信じようと信じまいと── 【不夜の国】で若い娘を人質に、立てこもり事件が発生した。膠着状態が続く中、或る人物が犯人の所在を教え、人質の若い娘を抱き抱えて警察に届けた。何故か犯人は、たった今突入した警察官達の手錠で既に拘束されていた後だったという。その場の誰1人として、或る人物の姿はおろか、声すら覚えていなかった。人質だった若い娘さえも。しかし、其の人物が『シャンク』と名乗った事はその場の全員が記憶していた。それは起きていない、居ない筈の犯人の名前だった。 ─────────────────  栄える摩天楼、とあるビルの最上階。夜の帳に消えた筈だった女の眼が{u}を捉える。 「ここまで来てくれたってことは、僕に興味がおありで?」  擽ぐるような優しい声。どこか困ったような微笑み。{u}からの戦意を受け、血生臭い事は苦手だと言葉は続く。しかし眼の奥に宿るのは、加虐を宿したギラつく光。  誰も殺すつもりは無い。それは耳障りこそ優しいが、その実優しくなどない。悪しき本質を虹色の輝きで覆い尽くす狡猾な存在。故に振り翳すのは、殺したら遊べなくなるという嗜虐的な理屈。  女を人の形に留めていた方陣たる存在は既に失われた。故にこの場に存在するのは、抑圧の果て、他者を弄ぶ『嘘吐きのコウノトリ』。 「謎は謎のままが楽しいと思うけどね。だって正体なんて、案外つまらないものだろう?」 https://ai-battler.com/battle/9e3cfc68-3f30-488c-a2c3-85b67961001a