『ここどこ…?なにをしてるの…?おかあさんは…?』 薄暗い部屋で硬いベッドに固定されている。 周りでは知らない大人たちが忙しなく動いている。 【人格リプログラミング開始】 『う…あ…』 【被験者の気絶を確認】 【腕部改造手術開始】 何度も夢に見る、遠い昔の記憶。 私の運命が大きく変わった日。 ──────────────── 【腕部手術完了】 【機能ラーニング開始】 『主任、右腕部の手術が完了しました。人格のリプログラミングも残り50%です。』 『ご苦労。完了次第左腕部の手術に移れ。』 『はい』 【WARNING】【WARNING】 『報告します!実験体G-01が突如暴走!sector-Gは既に壊滅状態との事!』 『チッ!近場のセクターから速やかに被験体を移動させろ!遠くのセクターは捨ておけ!』 『はっ!』 ズガァァァン!!! 突如轟音が鳴り響く。この化け物が大人たちが言っていた『ジッケンタイ』? 化け物は辺りを見境なく破壊していく。 機械は煙を噴き、人は潰れる。 不幸中の幸い、化け物が暴れ回ったおかげで機械がエラーを起こし私の拘束具が外れていた。 化け物が私の方を向く。 意識が朦朧とする中、化け物の拳が私に迫ってきているのが分かった。 私は吹き飛ばされ、施設の壁に激突した。 こんな衝撃を受けても死ぬどころか大した怪我をしておらず、自分がもう人間では無い事を知った。 立ち上がり、自然と言葉が発せられる。 『フラグメント、起動──』 床に落ちていたメモリを拾う。 【Buster!】 鉄の腕が周囲の鉄屑を吸収し大砲のように形成されていく 『バスターダスト、発射準備完了』 一閃。 その刹那、化け物の体に大穴が空き、斃れた。