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【打ち倒す者】オバケチャン・ザ・メジェド【オシリスさん家の自宅警備員幼女】

死者の書グリーンフィールド・パピルスの第17章では詳細が不明な数多くの神々について言及されているが、その中でメジェド(「打ち倒す者」の意)に関する次のような記述がある 「私はそれらの中で打ち倒す者の名を知っている。それはオシリスの家におり、目によって撃ち、姿は見えない。」[1] この神について、それ以外なにも分かっていない[1]。 ウォーリス・バッジによる古い翻訳における該当箇所の内容は以下のとおり。なお第17章は、アニのパピルス(英語版)とネプセニのパピルスからの翻訳とされているが該当箇所の原典がどちらかは不明。  「願わくは(死者の魂を害しようとする)彼等の屠殺刀をして決して我を支配せしめざらんことを。願わくは我をして彼等の残忍の機械下に陥らしめざらんことを。何となれば我は彼等の名を知ればなり。而して我はオシリスの家に住う彼等の中に居て、己の眼よりは光を放ちながら、而も他には見らるることなきマアチェトなる者(「打ち倒す者」)を知ればなり。彼は天を巡囘するに、己れの口より出ずる焔を着用し、(ナイルの神)ハアビを命令しながら、而も他に見らるることなし。願わくは我をして此世に於てラアの前に強からしめ給わんことを。」[2] (日本語訳:田中達、カッコ内は本記事執筆時における補足) グリーンフィールド・パピルスの紙片76における図像では、メジェドと考えられるもの[1]が、脚と目が見えるほかは錐形のもので覆われたものとして描かれている。 解説 編集 この死者の書の一場面には、二通りの解釈の仕方がある。ひとつは、ここに描かれた神の名がメジェドで、これがメジェドの姿であるという説。もうひとつが別の神を形容した言葉という説。 あるいは、この文章が一種の呪文であるという説。死者の書は、死者が冥界を通り楽園へ辿り着くための方法が書かれており、これは、悪霊から身を守るための呪文だと考えられる。 ともかく現在は情報が少なく、旧約聖書『出エジプト記』12章23節[3]に登場する הַמַּשְׁחִ֔ית(シャハト[4] ―― 〝滅ぼす者〟)との関連も定かでない。