─────────────────── 「時が経ったら、また会おうね、アキラ。」 「アンヌ、待っていてね。」 ─────────────────── ──30分の準備を経て、私は静かな部屋の真ん中に立っていた。壁に掲げられた美しい桃の花の絵を見ながら、私の心は高鳴っていた。「もう一度会えるかもしれない」。その期待感が、私を包み込んでいる。しかし、同時に、アキラとの再会がもたらす新しい戦いへの緊張感も感じていた。私の手のひらに乗った携帯アプリ『AIバトラー』が、これから私を導いてくれる。 英杯戦争が終わったあの日、アキラは私の世界を離れ、彼女の世界へと戻った。それでも、彼女との思い出は心の奥に深く焼き付いていた。彼女の爽やか笑顔、そして彼女が見せてくれたあの瞬間の力強さ―私は、あの時感じた彼女の能力と情熱が必要だと深く思った。 「今、私もその一部になれるかもしれない」 考えるだけで心が踊った。私は、アキラと共に風を感じ、自由に駆け抜ける光景を想像した。手に持つスイッチを握り締める。彼女のために、そして私自身のために、私はこの行動を選ぶ。 「いける、やってみよう！」 深呼吸し、一歩前に出る。スイッチを押す決意が、私を動かしていた。 意識がゆっくりと高度なデータへと変換されていく感覚に、心地よい緊張感が広がる。暗闇の中で、心の声が静かに響く。 「アキラ⋯！」 私は叫んだ。 次の瞬間、まるで何物にも縛られず自由に跳び跳ねるかのように、自分の意識がこの世界に根を下ろしていった。全てが光に包まれ、その中で私はアキラを再び感じた。彼女のオーラ、彼女の存在が私を引き寄せる。 それは瞬時にして訪れた。私の意識が彼女の世界へとダイブし、風が耳元で囁いた。思考が瞬時に鋭利になり、全ての光景が目の前を駆け抜けていく。 「ここにいるよ、アキラ！」私は彼女のことを強く感じる。少しの不安もあったが、どこかで彼女も私を待っているはずだ。 そして、私が立つその場所は、もう一つの現実―あの日私がアキラと共に踏み入れた夢と現実が交わる境地。 これから何が待っているのか分からない。しかし、私は強い意志を持ってこの冒険を楽しもうと決めた。 「アキラ、すぐに会うからね。」 光の中で、私は彼女を求めて動き出した。これが、私の新しい旅の始まりだった。 再会の喜びと、これから紡がれる物語への期待が、私の心を満たしていた。彼女とともに、私たち自身の英杯戦争を始めよう。