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エルヴォラ

とある世界の頂に、4つの世界を統べる神がいた。 神は常に退屈していたので、新たに一つの世界を創造した。 そしてその世界に、1人の男がいた。 その男は神に能力を与えられ、その力を数多利用した。 「組み合わせる能力」 そうして長い時間、力を弄り続けた男は一つの考えが浮かんだ… 削除と能力、その二つを合わせたら━━━ 〈削除(デリート)〉 …その瞬間、神は消えた。 その存在そのものが死んだのだ。 そして、男は神の座を手に入れた。 神が男に与えたのは能力ではなく、権能だった。 されど神とは強き存在。権能を跳ね除け、魂だけは其処に遺った。 「あぁ、神よ…貴方のための、退屈しない公演を準備し、披露いたしましょう!それまでどうか、私の魂の一部として…!キッヒヒヒ…ふふふふ…!」 理外の男をなんと言おうか? 男の名はなんであったか? 今まで脚本家(わたし)はno rule…ノルルなどと語っていたが、名を改めるべきやもしれないな。 「騙った人形(エルヴォラ)」 そう名付けよう。 エルヴォラは、他4つの世界の〈管理者〉を務める大天使をついでの様に削除。代わりにエルヴォラ本人の剪定(もしくは作成)した者達に新たな〈管理者〉の役目を与えた。決して、邪魔されぬ様に。 だが、〈管理者〉であった大天使達もまた、神の魂と同じ様な性質をもっていた。 神へ捧げる舞台を壊す可能性のある大天使を、エルヴォラが易々逃すことはなかった。 エルヴォラが神を消したことがバレたら叛逆を起こされる。だからエルヴォラは、大天使の力と記憶を封印し、魂を下界の人間に憑依させた。舞台に関係ない人間の1人に。 そしてエルヴォラは最終的に、エルヴォラの考えた舞台のストーリーを正しく行う為の人形達を選りすぐり、その人生の道筋を全て決定づけた。 エルヴォラ以外の全ての生命は、エルヴォラが削除した神へ送る舞台の役者となり生きる事が義務付けられたのだ。