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【皓々とした霙降る白晶冴え渡る雪原】フロストロック・アルバ

───遥かなる昔.......とある雪原の村に彼女は生まれた。 決して恵まれた環境ではない。贅沢出来る環境ではない。しかし、その状況でも彼女は静かに、しかし確かな小さい幸せを噛み締めていた。 がしかし、この村には決して知られてはならない''真実''が有った。彼女は、其の事が起きるまでは、その真実を知らなかった。嫌、知らない方が良かったのかもしれない。 ある日の事─── 彼女はいつものように村の友と遊ぼうとした。しかし、何時まで経ってもその友が来ない。1時間、2時間、3時間と時間は経過して行くばかり。仕方無く、その日は風邪でも引いたのだろう。と、自分に言い聞かせて1夜を過ごした。しかし、何日、何ヵ月と待ってもその友は来なかった。ただ、時間が過ぎ行くのみだった。 流石におかしい。そう感じた彼女は、村の規則で禁じられている村の奥地の森林。其処に夜に足を運んだ。 ある程度歩いた後、開けた場所に来た。其処には、村長が居た。彼女はその様子を木に隠れて見ていた。村長は何かに手を合わせた後、何処かへ行った。 彼女は先程、村長が居た場所に向かった。周囲を見渡しても、何もない。が、村長が落としたものだろうか。何か書かれている紙があった。紙を見る、其には、村の人の、尚且つ子供に限定した名前と思われるリストが書かれていた。その中には、彼女やその友人の名も書かれていた。そして、友人やその他数十名の名にチェックマークが書かれていた。 この地には、何が眠っているのだろうか。何が居るのだろうか。それを考えるうちに、彼女は察した。恐らくこのリストにチェックがついている人は、もう死んでいるのだと。彼女は戦慄した。自分の居ない間に友人やその他の人が居なくなっていたことに。そして、そのリストにチェックがついていないのは、自分だけということに。彼女は、この村を秘密裏に出ることにした。 翌日、彼女はもう其処には居なかった。必死に村の者が探す。村長も探した。しかし、彼女は居なかった。 彼女はこの村を出た。かつての友人、家族を捨てて。 ───────────────── 彼女は独り身となった。雪原を彷徨っていた。食べ物も無く、飲み物も無い。この極限状況で、彼女は生という希望に執着し続けていた。 降っている雪や落ちていたウサギの死体等を空腹凌ぎのために食った。当然、肉は生なので食中毒となったり吐いたりもした。しかし、彼女は生を諦めたく無かったのでそれすらも躊躇わなかった。 早4日、雪原に終わりが見え始めていた。この地獄が終わるわけでは無いが、一先ず街に出れば誰かが保護してくれるかもしれない。そう思った彼女は、真っ先に雪原を出た。しかし、ある程度歩いても見えるのは密林のみ。密林を通ることも考えたが、生存本能が叫んでいたので止めた。 雪原を出てから約10日、彼女は疑問を抱いていた。何故食料を食べていなくても生きていられる?水を飲んでなくても生きていられる?それを疑問にする度、その疑問が膨れ上がってきた。 ───────────────── 其を考えていると突然、何者かに腕を捕まれた。そしてそのまま、何処かに連れ去られる。 次に彼女が目を覚ましたのは、殺風景な鉄格子で覆われた謎の場所だった。何故自分は捕獲されなければいけないのか。それを考える間もなく、またしても何処かに連れていかれた。 次に連れていかれたのは、尋問室だった。その日での尋問されたことは覚えてはいないが、育ってきた所を聞かれたのだけは覚えている。 次に連れていかれたのは、これまた謎の部屋だ。中央に謎の装置があるだけで、その他は殺風景な部屋だ。 彼女はその装置に無理やり押し込まれ、出ようとした。しかし、出られなかった。装置が起動する。瞬間、彼女の全神経に激痛が走った。其れが数十分、数回と続いた。 ───────────────── 装置から出た時、彼女は疲弊していた。しかしそれなのにも関わらず、何か体が軽い。内臓でも抜き取られたのか?そう思った彼女の予想は外れた。先程の装置の事について聞いてみると、その装置はどうやら「内に秘められた能力を発芽させる」装置らしい。 彼女はどう言うことか混乱したが、その混乱は長くは続かなかった。 彼女が施設を出てふと見つめた案山子が、凍ったのだ。彼女は驚いた。これが能力なのだと。しかし、冷凍だけならあまり使えない、そう感じた彼女は能力のことを忘れることにした。しかし、いくら経っても忘れられない。と言うより、因果や運命が彼女と能力を邂逅させている、の方が正しいだろうか。 どうも彼女は、能力からは逃れられない運命らしい。 ───────────────── それから1ヶ月、極限時に見つけた密林を出て、街に着いた。人混み溢れ、人々の喧騒が響く。普通の人間ならば煩いものだと思うだろうが、彼女は其を見て安堵していた。もう地獄の環境を見なくて済むのだと。彼女は、雪原や密林を後にして街へと入った ─過去1 完─