『ヨシュア・シッダルタ、応答せよ。こちらヨセフ・ブラフマン。』 なんてやっても敵がいないんじゃなあ。コールサインも今思うと安っぽいやな。なあ、シッダルタ。・・・いや、ハイルフォルト。あんたを送り出してから随分たったが、随分と馴染みやがったようだな。楽しんでいるようでなによりだ。 ・・・それで、どうだ、滅びのない生活ほど楽しいものもあるまい。死神から逃げ延びて平和ボケした顔をしているぞ?そうでもないって?いや、全くいいことだよ。お前はそれでいい。昔から戦場には似合わなかったからなあ。青っ白い顔してさ。 なんで探してたかって?一つ言っておこうと思ってな。この世界は、美しい。俺たちみたいな流れ者は欲しくても手を出しちゃいけないくらいにな。確かに俺たちには力がある。3日もあればこの世界を終わらせられるくらいにな。この世界の現行人類が世界を滅ぼすにはどうしたって一月はかかるところを、だ。だがな、俺たちはもう終わった世界の住人なんだ。わかるだろ?だから・・・。 どうした、そんな顔して? まさか本気で世界を乗っ取る気でいたのか? 3日は物の例えだぞ・・・? SEC?そんなものこっちには・・・。 っ!お前、こっちに持ってきてたのか!? あの空間破壊爆弾を!? だが、しかし、それなら「可能」、か。 たった2機で、世界を相手にすると? ここの全てを奪ってまで俺たちの世界を救うと? 無茶だ、無謀だ、道理に合わん。 だが・・・。ずるいな、そんな目で見るなよ。 わかったよ。手伝ってやる、シッダルタ。 せめて死ぬ時は華々しくだ!