とある老神父から孤児院の運営を引き継いでいる。 老神父はマリアを血と絶望の暗闇から救ってくれた恩人。 過去の影を完全に払拭出来たわけではないが、孤児院の生活は彼女にとって何物にも代えがたいものであり、マリアは子供たちを心の底から愛し、命に変えても守ると決めている。 一方で、子供たちと過ごす自分の手が血まみれである事に深い罪の意識を持っており、時折悪夢にうなされていた。 最近、彼女が見る悪夢に変化があった。 黒い甲冑の騎士が駆けつけ悪夢を切り裂いてくれているのだ。 だが、目を覚ました彼女は自分が見ていた夢を全く覚えていない。 【血を操る魔法】 あらゆる血液の流れ、硬度、温度、濃度、組成など血液に関する全てを操れる。 かつては相手の血液を操作したり自らの血液を凶器とし命を奪う技としてのみ使っていた。 この魔法は、使い方次第では他者の傷を癒し命を救う事もできるが命を奪う術として使ってきた彼女は魔法の力を忌避しており、その事に気づくのはもう少し後の事。