「ねぇ、いつまで続けるつもりなの?」 そう、不安げに訊ねて来たのは咲子さんでした。 彼女についている「嘘」のことでしょうか。 君の心配も尤もですが…… 「あの子は賢い それにこれから成長していくわ 真実に辿り着かずとも、何れ 記憶の歪みには自力で気が付く」 ……理解はしています。 この先ずっと現状を維持することはできない。 しかし彼女はまだ価値観が未成熟。 ゆえにその足取りは覚束無いものです。 焦って真実を伝えたところで 彼女には冷静に昇華し切れないでしょう。 「それは……そう、ね ごめんなさい、私あの子がどうしても心配で……」 いえ、私も貴方には 随分と苦労をかけてしまっていますから。 ただ彼女が己の力を「正確に理解」した時、 賢い彼女はおそらく真相に辿り着くでしょう。 決して、幼い彼女に 知られるわけにはいきません。 彼女の家族の命と未来、その全てを 彼女自身の異能が奪ったという事実だけは。