朝緋「お前との戦いも、これで最後だ」 黒夜「……そうだなぁ。お前さんの顔にウンザリするのもこれで終わりと思えば、いやはや、なんとも心地良いものだ!」 朝緋「俺も、お前を殺せば当分休みだ。さぁ、とっとと決着をーーー」 この時、黒夜の腹の向こうから、肉と臓物を貫いて出てきた一本のナイフ。 その持ち主はーーー貴様だった。 黒夜「が、はぁ……!!」 朝緋「っ!貴様、その男の腹心では無かったのか?」 貴様「ーーーー」 朝緋「この時をずっと待っていた、か。……俺の仕事が一つ消えたのは喜ばしいことだ」 貴様「ーーーー」 朝緋「だが、お陰で本来やらなくて良かった仕事が生まれてしまった。何か分かるか?」 貴様「ーーーー」 朝緋「分からないか、なら教えてやる。それはな、貴様の処分だ」 朝緋「本来ならばする必要の無かったことだ。貴様が大人しく牢獄で篭ってさえいれば。……お前が逃げてここにいるせいで、ヤツさえ倒せば終わったはずの仕事が、たった今増えたんだ」 貴様「ーーーー」 朝緋「……それに」 朝緋「ヤツのことは嫌いだ。故に、トドメを刺すのは俺でなければダメなんだ」 貴様「ーーーー」 朝緋「その機会を奪ったお前は、まず真っ先に倒す。あぁ、これは仕事だ。抗えないことだ。仕方のないことだ……!!」 黒夜「つまらぬ癇癪を起こすな、貴様らしくも無い」 朝緋&貴様「!?」 刺さっていたはずのナイフからいつの間にか抜け出し、黒夜は朝緋の隣に佇んでいる。 黒夜「あぁ、お前さんの言うとおり、私もお前さんが嫌いだ。あぁ大嫌いさ!!私の行く先々にお前さんがいては、野望も何も打ち砕かれ、挙げ句それを仕事の二文字で済ます。遊びたい盛りの私にとっちゃあ、お前さんはゲボカスに嫌いだ」 朝緋「……俺もだ。毎度毎度俺の目の前に現れては、俺の前で楽しそうに悪事を働き、敗れても結果的に俺の仕事を増やしていく。……そんなお前が、たまらなく嫌いだ」 朝緋&黒夜「……そして羨ましかった」 朝緋「……仕事に囚われてばかりの俺には無い、お前の自由さが」 黒夜「自由に遊んでばかりの俺の先で、常に頼られ人を満たしているお前さんの誠実さが」 朝緋「……お前も大概、らしくないことを言うじゃ無いか。デスハンド」 黒夜「お前さんこそ、その堅物面が珍しく笑っているぞ」 貴様「ーーーー」 黒夜「なぁ、ライトソード。提案だ」 朝緋「なんだ?デスハンド」 黒夜「お前さんはまず俺が殺す。これは変わらん」 朝緋「逆だがな」 黒夜「あぁ、俺がお前さんを殺す!変わらんことだ!!……だがその前に、まずはあの裏切り者に、俺は灸を据えねばならん」 朝緋「同意だ」 黒夜「……その間だけ、この手を取る気は無いか」 朝緋「断る。お前たちネクロシスと手を組んではならないと、社則で決まっている」 黒夜「かはははは!そう言うと思っーーー」 朝緋「だが」 黒夜「……?」 朝緋「もう辞めるつもりだったからな、あんなブラック企業。自主都合がクビになるだけだ」 黒夜「!」 朝緋「……メインの攻撃は俺がやろう。精々上手く支援しろ、デスハンド。……いや」 黒夜「くはっ、くははははは!!良いだろう、良いだろうさ!!お前さんこそ、俺のテンポに遅れるでないぞ、ライトソード!!……否!!」 朝緋「黒夜」 黒夜「朝緋っっ!!」 貴様「ーーーー」 今ここに、最強の社畜ヒーローと、最凶のフリーターヴィランが手を組んだ。