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【運命をも弄ぶ炎帝】アヴァル・ルビアス

 「ようこそ。旅の人か?何にせよ、このアヴァル公邸に来たのならばゆっくりして行くと良い。」 悪魔というものは人間にとって畏怖の象徴だ。忌むべきものであり、決して近寄ってはならない。このラヴァルという悪魔も同じである。 しかし、アヴァルには他の悪魔と決定的に違うところがある。  それは人間が好きだということだ。 大体の悪魔は人間のことなど気にかけてもいないか、「襲った覚えも無いのに襲撃してくる嫌な動物」と認識しているのだが、このアヴァルは人間ごっこをする程人間が好きなのである。  現在、ハワイ島南端に位置するラヴァルの邸宅、”アヴァル公邸”には人間に限りなく近い形態の家族が住んでいる。 ラヴァルの人間ごっこの一環として生み出された魔人や魔物、使用人の使い魔たちなど、数を除けば普通の家族だ。 「アヴァル・ルビアスだ。この家の家長をしている。はは、そう警戒するな旅の人。悪魔とはいえ、皆が皆殺人者ではないのだぞ?」