満月が輝く夜の荒野 月の光しかなく、暗いはずの荒野は昼間以上に雷の光で明るく輝いていた。 戦闘音を轟かせながら二つの影が衝突する。 クロ「…ッ!!強ぇなアンタ。」 そう言いながら吹き飛ばされていくのは、黒いスーツで目つきの悪い黒髪の少年だった。 再度もう一人の男に突っ込んで行くが、結果は変わらず地に伏せられる。 シリウス「…ふぅ、なんとか落ち着いたか。キミはなんでそんなに息巻いているんだい?」 もう一人の男は、白い髪と派手な服をたなびかせながらクロに尋ねる。 クロはジロッとシリウスを睨みながら クロ「強くなんなきゃいけねぇんだ…守りてぇ奴がいんだよ。 今のままじゃ駄目なんだ…俺は弱ぇんだよ…。」 と、少し涙ぐみながら言葉を漏らす。 その様子を見てシリウスは 「そうか、それなら僕と一緒に武者修行をしないか?僕も強くなりたくて修行してるんだけど、一人じゃ勝てない相手もいるし、一人じゃ自分の弱点もなかなか気付けないんだよね。どうかな?」 と言い、屈みながらクロの涙を袖で拭う。 クロは少し悩んでから、「…アンタとなら良い修行になるかもな。俺を連れてってくれよ」 と、シリウスの手を取り立ち上がる。 そうして、彼らは月が照らす荒野の下でタッグになったのであった。 ーーーーー 翌日早朝 モフッモフモフ… 寝ているクロの顔にモフモフの毛が触れる。 くすぐったくて寝れなくなったクロは 「んだよ、鬱陶しいなぁ!!」 と、毛の方向を見ながら叫んだ。 見ると毛の正体は狼のモフモフな尻尾であり、狼の耳と尻尾が生えたゆるキャラのような少年がいた。 クロ「(か、可愛い…んだこの生き物モフりてぇ…)ん、ゴホン。 誰だお前!!」 クロが叫ぶと毛玉は起き上がり ???「んぁ?え、ボクがわからないの?昨日戦ったじゃない、ボクだよボク、シリウスだよ」 と、目をパチクリさせていた。 クロも目をパチクリさせていたが、次第に顔をニヤつかせ 「そんな見た目じゃ抵抗できないだろ…?」 と言いながらシリウスに抱きつき、好き放題モフり始める。 シリウス「うひゃあ!!やめ…アハハハ!くすぐったいよ!!」 クロ「ヘヘヘ、昨日ボコられたお礼参りだよ!くらえくらえ!」 シリウス「し、しぬしぬ…!!ギブブブ…アハハハハ!!」 ーーーーー その後天狼の力を開放したシリウスにボッコボコにされたクロであったが、なんやかんや彼と旅を続けていくのであった…