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剣魔法のイクサス

焔剣(ほむらけん)アルドレイズ:神話を思わせる直剣。振るう事で炎が生まれ、修練次第で炎を飛ばす・周囲を炎で囲む・爆発を起こすなどの芸当が可能。 巨壁剣ティタンウォル:盾のような巨大な剣。重量級の斬撃や刀身での防御の他、大地に突き刺す事で地面を隆起させられる。 祝福されしヴィタレスト:聖なる短剣。宿した光の力は懐に収めるだけでも体を癒す。魔力を込める事で回復力が増大する。 風纏い(かぜまとい)のフェアリー・ロンド:華美なレイピア。所有者は風に乗り自在に空を駆けると言われる。 深淵流刃アビサル:流体を思わせる歪な刃。振えば生まれる深い水流は全てを飲み込む。 剣魔法――それは“貴族にしか扱えない魔法”と呼ばれる。 そう言われる理由はいくつかある。 まず、剣魔法とは「召喚(あるいは創成)魔法」+「念動魔法」を同時に扱う複合術式だ。 このふたつを同時に行使するだけでも、膨大な学習量・訓練量・魔力量が要求される。 さらに、相手が剣を使うなら、自身も剣術を修めねば話にならない。 この時点で、可処分時間に劣る庶民がわざわざ剣魔法を学ぶより、普通に剣を振った方が遥かに現実的なのが分かるだろう。 実際、剣魔法使いが一人前になるまでに、剣士が三人育つと言われるほどだ。 だが、もしその修練を乗り越え、完成域に達したなら―― 魔力の続く限り、自在に剣を生み出し、縦横無尽に振るい続けることができる。 その強さは、近接戦において無類。俗に「百剣千刃」と呼ばれる激しい戦いが可能だ。 だが、世界には想像を絶する強者がいる。 そんな彼らですら勝てない敵が存在する。 そんな時、どうするのか? 答えは主に三つに分かれる。 一つ、速度を極めて先手を取る。 一つ、間合いを伸ばして優位に立つ。 一つ、同時に複数の剣を生み出し、制圧する。 いずれも実現すれば強力だが、そのどれも更なる時間と才能を要する。 ただ、ひとつだけ“例外”がある。 それが――魔法剣を召喚(あるいは創成)するという方法だ。 これは他の手段と比べ、最も確実に戦闘力を高める手段とされる。 貴族であれば、先祖伝来の魔法剣を一振り、二振り持っていることも珍しくない。あるいは、買い上げる事も可能だろう。 一方で庶民には縁遠い。 仮に創成する場合であっても、そのための「イメージ」には、実物の魔法剣を何本も見て触れておく必要があるからだ。 ――気の遠くなるような道のりである。 だが、それゆえに。 ひとたびこの技を極めた者は、どんな敵が束になっても敵わない。 それが、“剣魔法”という技だ。