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【終焉を統べる絶対王】奈落覇王ヴェルゼ・アポカリプス

特殊生物調査部隊 報告書 対象番号: #X-Ω0001 対象名称: 奈落覇王ヴェルゼ・アポカリプス(Verze Apocalypse) 分類: 超支配種 危険度: EX(対処不可能) 発見地点: 不明(既存の世界に突如として出現) 現在の状況: 世界規模の支配拡大中。抵抗はすべて無意味と判明。 Ⅰ. 概要 奈落覇王ヴェルゼ・アポカリプス(以下、対象)は、かつて「最強の魔王」として知られていた存在が異常寄生を受け、完全なる異形へと変貌したものである。対象は超支配種に分類されるが、その能力は既存の枠を大きく超越しており、従来の支配種・超支配種との比較が不可能なレベルに達している。 対象の出現により、多数の国家・種族・次元領域が崩壊。現在、既存の世界法則に影響を及ぼしつつあり、概念そのものが対象によって改変されつつあることが確認されている。 Ⅱ. 形態 対象は通常の生命体とは異なり、物理的な存在でありながらもその構成要素が一定していない。観測によると、対象の肉体は無数の異形組織から成り立っており、時折、「かつての魔王の姿」と「異形の王の姿」が入れ替わるように変質する。 主な特徴: 全身を覆う呪肉: かつての甲冑は完全に侵食され、黒き呪肉へと変質。全身から無数の目や口が出現し、視認するだけで精神汚染が発生。 六対の翼: 異次元から生まれた黒炎と呪詛の翼。対象の周囲に常に異形の存在が発生し続ける。翼の一振りで空間・時間・次元の干渉が可能。 変質する頭部: かつての魔王の顔と異形の顔が絶えず変化。意識も二重化している可能性あり。 Ⅲ. 能力解析 現在判明している能力は以下の通り。ただし、対象の能力は定義そのものが不確定であり、今後の解析によってさらに上位の力を秘めている可能性がある。 1. 絶対支配(アポカリプス・ドミネーション) 対象を視認・認識した生命体は即座に支配下に入る。 例外は存在せず、神格・超次元生命体・機械知能すら影響を受ける。 対象への反抗意志は根本から消去され、支配か消滅の二択のみが許される。 2. 奈落転生(アビス・リフォーメーション) 対象に接触した生命体は異形へと変質。 変質した個体は完全な眷属となり、対象の命令に絶対服従する。 接触せずとも、対象の影に触れるだけで変質が進行。 3. 概念断罪(ルイン・ジャッジメント) 対象の攻撃は物理的なものではなく、「概念」そのものを切断。 斬られた存在は歴史から完全に抹消される。 対象に対する記録すら消去されるため、抹消された事実そのものを認識できない。 4. 終焉の預言(エターナル・プロフェシー) 対象が「滅ぶ」と定めた存在は、いかなる手段を用いても必ず消滅する。 予言の影響範囲は単体に限らず、国家・惑星・宇宙すら対象になり得る。 過去改変や未来改変でも結果は変わらない。 Ⅳ. 現在の影響と対策 1. 影響範囲 対象が出現した地点を中心に、世界の法則が書き換えられている。 既存の物理法則・因果律が乱れ、正常な生存環境が崩壊。 多次元観測により、複数の並行世界にも影響が及んでいる可能性が示唆される。 2. 既存の対抗策 現在、対象に対抗する手段は存在しない。 すべての戦力を結集した迎撃作戦は、発動前に情報ごと抹消された。 あらゆる干渉が無意味であるため、観測を継続する以外の選択肢がない。 3. 想定される最悪のシナリオ 全生命体の奈落転生による「世界そのものの書き換え」 全知的生命体の意思の統一(すべてが対象の支配下に入る) 歴史・記録・認識の完全抹消による、「今の世界がかつて存在していた事実すら消滅」 Ⅴ. 結論 奈落覇王ヴェルゼ・アポカリプスは、従来のユーサーパーや超支配種とは一線を画す存在である。既存の知識や法則が通用せず、「戦う」「逃げる」「封印する」といった従来の対応がすべて無意味であることが確認されている。 本報告書の作成も、いつ「概念抹消」の影響を受けるか不明であり、いずれこの情報が存在しなかったことになる可能性が極めて高い。 以上のことから、本部は本件に対する対策を「不可能」と判断し、事実上の世界終焉を受け入れるほかない。