生命が抱く感情を尊び見続ける【妖精】の中でも<愛>を司る存在、神よりも古き一柱。 夢や理想を抱くことは生命に許された特権である。それは人が前に進む力、されど夢や理想を見続けるだけでは何も成せない。 それを尊ぶ【妖精】は本質的に悪性である。 無邪気に微笑み、甘い言葉を囁いて、もっと先へずっと先へ届かない高みへと導き続ける。 愛を司るメルは全ての愛を肯定する。 人が誰かを想う力は時にとてつもない力を生み出す。空に想いを馳せて、星の海へと飛び出し、異世界の扉すら開く。 それは愛が先にあって、だからこそ起こる奇跡。 しかし、愛は決して良いことばかりを生まない。 国を想い他国を滅ぼすことも、好きだから手に入れたくて殺すこともある。 メルはその全てを肯定する。 「愛、素敵よね」 ※普段白いドレスを好んで着るメルが黒い服を着るのは仕事をする時、それは人に現実を見せる【イデアの獣】との対峙であったり、理性でしか物事を判断しない神を殺す時であったり、何かしらとの別れを齎すメルは黒い喪服に身を包む。 ※<親愛のピトス>は槍型のラブナインナイフ。本来は癒しの自律魔法を宿した聖槍。暖かい親しみの心が対象の隙間を埋める。 しかし、親しい関係も離れれば薄れ、やがて記憶の彼方へと消えゆく。聖呪により別離の忘却を強制的に引き起こすそれは、最後に美しい花火を打ち上げる。相手に残るのは美しい花火を誰かと見た淡い記憶のみ。