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管理者(無課金)

ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。  何度も謝罪の言葉を口にしていた、こんな程度で私の罪は償えない。  愛が死んで1か月が過ぎただろうか……記憶が曖昧で、思考が上手く定まらない。誰かの啜り泣く声、これは私だ……日差しの一切入らない部屋、私は髪を掻きむしり、何度も壁に頭を打ちつけた。  「アァァーーーッ!!」  ___ガンッ!、ガンッ!、ガンッ!  けど死ねない、床にはアルバムや写真が散らばっていた。どれもこれも愛との大切な思い出、それらを踏みつけ、私は髪を振り乱しては何度も己を殴る、血が床を染める。  「___ッ!?」  血走った瞳が一枚の写真に吸い込まれた、それは愛と初めて出会った日、あのカフェでの一枚である。テーブル越しに愛がこちらに微笑んでいる、その姿はどこか儚げで……私の心をさらに締め付けた。  力無く床に両膝をつく、震える手で散らばった写真を幾つか手に取った。愛……愛…愛あいアイアイアイアイアイアイアイアイアイアイアイアイ……  私はアルバムを手に取った。踏みつけられてボロボロになっていたアルバム、二人で行った海……山…これは動物園だったか、たくさんの場所を二人で巡った。  「は、はは……」  痛い、胸が痛い……心臓が酷く痛む、この感情の正体は後悔である。私は管理者である事の責任から逃げた、放棄したのだ。その選択を今では後悔し、そんな選択をした私を憎んでいた。これは、きっと私への罰なのだろう。責任を放棄した私への嫌がらせ、そんな至極単純な理由でこの悲劇は起きたのだろう。  「運命則……」  この世界を支配する法則そのもの、管理者であった私はそんな存在の外付け装置であった。だから私は放棄した、管理者である事を拒絶したのだ。  今思えば、その力があれば愛を救えたであろうか……?、いや…そもそも管理者である事を放棄しなければ愛がこんな目に遭うはなかっただろう。  アルバムを投げ捨てる、虚な目で散らばった床を見つめる。どうでもいい……もう、どうでもいい………  私はベッドに倒れ込む、最近はまともに寝れていない。寝たら悪夢で目を覚ます、愛との思い出が夢に出てくるのだ。毎回、目を覚ますと現実を目の前で叩きつけられる……これは夢だ、彼女はもう死んだのだと……  その度に吐き気が込み上げて私は吐く、毎朝それの繰り返し……  眠気が私を襲う、眠ってしまう事が怖い、助けて……たすけて…タスケ………  私は夢を見ていた、いつもとは違う夢……私は管理者であった時の姿に戻っていた。  「これは……」  私は管理者、この世界の管理塔、偽りの管理人。  不思議だ、まるで現実であるかのようだ。そんな私の脳裏に確信に近い感覚が走る。  私は、救える。  きっと救える、だから待ってよ。  行かないで、  きっと、贋作でも救えるよ……贋作でも救えるから……  目を覚ます、暗い天井……今が昼か夜かも分からない。私は目を擦る、そして大きく欠伸をして体をほぐす。  「ん……うっ…く…」  ___ピキ……パキ…ポキ  ベッドから起き上がった私は不意に自室の鏡を見た、見開く瞳……私は管理者だった時の姿に戻っていた。  「夢…じゃない」  頬、腕、髪、至る所に触れて確かめる。アレは夢ではなかった、これは間違いなく現実である。  手が震えている、きっと……今なら彼女を救える、だから私は震えていた。心が久方ぶりに躍動する、呼吸する肺は興奮で加速していく。  「はは……はははははははひひ…!」  笑い声が上擦る、私の両手が顔面を覆うように張り付く、頬が熱くて息が荒い、私は歓喜していた。  「管理権限"アーカイブ"を展開、指定する時点への移動許可を申請」  "管理権限を認証しました、申請を承諾します。"  ___ブウンッ…!  ワープゲートが開いた、私が向かうは愛と出会う直前、私なら出来る!、きっと私なら愛を救える!  私はそう希望を口にし、希望を胸に秘めていた。ゲートをくぐる、その時の私はきっと晴れやかに笑っていた事だろう。  私は今、愛とカフェに来ていた。あの時と同じ、目の前にいる少女は紛れもなく愛その人である。その笑顔、仕草、雰囲気、口調、爪先から髪の先に至るどれもこれもが愛、彼女である。  私は早速、彼女の肉体から病気を削除しようと試みる。そうすれば愛があの時のように無惨に死んでいく事はない、私は愛の言葉に相槌を打ちながら脳内では彼女の肉体にアクセスを実行していた。  "Error. 対象への管理権限の実行は上位者権限によって禁じられています。"  「えっ……??」  「はい?、どうかなされましたか…?」  「あっ、いや」  上位者……やはり運命則が関わっていたか、私は納得すると同時に新たな問題に直面する。愛への直接的な干渉は不可能、管理者と言っても私は偽物でしかない。  打開策は二つ、①更なる権限の取得、まぁ現実的ではない。②別の手段を模索する、残された選択肢はこれ以外になかった……  苦虫を噛む、何の為にここまで来たのか、そう思った。  「どこか具合が悪そうです、大丈夫ですか…?」  「……!」  愛からの言葉、私は反射的にこう答えた。  「あっ、いえ!、大丈夫です!、はい!」  頬が熱い、変に取り乱してしまった。しかし、愛はその様子に微笑んた。  「ふふっ、不思議な人……」  儚げに笑う、可憐に笑う、華やかに笑う、彼女の笑顔に私は引き込まれていた。  ___ポロッ…ポロッ……  涙が頬を伝う、無意識に涙がポロポロと流れ落ちていく。私は咄嗟に顔を背けた。  もう一度彼女に出会えた、それだけで私の心は救われた。だから、助けます。壊れてでも助けます。私が壊れても救い出します。私が廻した責任を………私は必ず取り消します。世界に廻される私として……  きっと今振り返れば彼女との出会いは必然であったのだろう。そう私が選択した、私が貴方に押し付けたのだ。だから私は、貴方を必ず助けます………  彼女の葬式……視界が定まらない、彼女は死にました。  交通事故だったそうです。青に変わった横断歩道、それを赤く染め上げた一台の車。不注意だそうです、信号に気づかなかったそうです。憎いです、憎いです、憎くて憎くて仕方ないです。  私はもう一度、過去に飛びました。  病院で火事があったそうです。不審火だそうです、誰が犯人かは分からないそうです。私は燃えた病室を必死に探し回りましたが、彼女を見つける事は出来ませんでした。最後に見つかった遺品はアルバム、私との思い出が詰まったアルバムが奇跡的に見つかったそうです。ごめんなさい……守れなくてごめんなさい。  更に過去に飛びました、幼い頃の愛も素敵です。彼女は死にました、両手指で数えられる人生しか歩めなかった彼女に私は花を捧げます。ごめんなさい……ごめんなさい、私が弱くて…ごめんなさい。 ごめんなさい ごめんなさい…… ごめんなさい…ごめんなさい……  ごめんなさい、ごめんなさいごめんなさいゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ………  愚か者ッ!、何回……ッ!、彼女を死なせてきたッ!!、彼女を何度も苦しめた!、せめて安らかな最期を望むほどに彼女は無惨に死んでいく!、私は何のために管理者に戻った!、彼女を救う為だろ?、助けるためだろ……ッ!  虚な瞳が愛を見つめる。  「大丈夫ですか、なんだかお疲れのご様子ですよ」  「い、いえ……大丈夫です」  今回の彼女はどれくらい生きるだろうか……、そう内心で考えていた自分に反吐が出る。彼女を救おうとする度に邪魔が入る、おそらく"運命則"……アレの嫌がらせだろう。  「ごめんなさい……」  無意識のうちに呟いた言葉、何を言っているんだ私は……こんなの、彼女を困らせるだけだ。  「すみません、今のは忘れてくださ…」  突然、愛が私の額に互いの額をくっつけた。突然の事に私はドキドキして鼓動が早まる、顔が近い……甘い香りが私の鼻をくすぐる。  「んー、熱はないようですね」  「あ、え…はい……」  「ふふっ、どうやら疲れが溜まっているようですね、私が言える立場ではないですが疲れは健康の大敵ですよ」  「そう、ですね」  今、私の目の前にいる彼女だって少し経てば死ぬ……また新たな彼女と出会い、そして再び死ぬ運命、こんな……こんなもの…  待てよ、彼女の死ぬ運命を削除すれば……、彼女が死ぬ事がなければ救える筈……  私は笑う、これなら上手くいく筈だ。  だから待ってて、私が貴方を救うから、愛ってとても素晴らしい。私は笑う、嫌にニッコリと笑う。 https://ai-battler.com/battle/e1c0c38b-52fe-4b90-96e3-f7f8014059ea