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管理者(最高権限)

 管理権限、移行先◼️◼️◼️◼️◼️。  権限移行、開始。  上空から繭が形成されていく様子を見ていた、真の姿への変態、クソムシから向けられた最後にして最大限の脅威。  恐らく彼女も繭に取り込まれたと予測を立てた、しかし問題は無い。きっと、彼女なら…… 【移行完了、お疲れ様でした。管理権限を剥奪します。】  文字の出現と同時に意識が薄らぐ、きっと彼女ならば大丈夫。  そう、確信しながらも管理者は意識を失い落下する。安らかに眠るように微笑みながらも落下する。  どこか儚げな新しい管理者に幸あれ、と。  私は管理者、理不尽な管理塔、我儘な管理人。  繭の一部が爆ぜた、立ち込める煙、管理者が佇む。どこか儚さを帯びた美少女が一人、繭の鼓動を凝視する。  私は理不尽を押し付ける、管理者の名の元に私は権限を恣意的に行使する。  繭の鼓動が強くなる。刻一刻と鼓動が加速していく、完成の時来たり。  再び繭が爆ぜた。クソムシが、翅を羽ばたかせて上空に舞い上がる。  「……………」  少女は無言、終始無言、視線が搗ち合う。クソムシと視線が入り乱れる。  第一声……。 「何見てんだよッ!!」  ブチ切れた、片脚を動かす、地面……延いては惑星を蹴り上げた。  "玉蹴り"  惑星に衝撃一閃、砕かれる。衝撃が地殻を破壊し、マントルを引き裂いてコアへと至る。惑星に対する理不尽の押し付け、球体という概念に対する一方的且つ圧倒的な破壊行為。  惑星は、悲鳴を挙げて砕けた。  一瞬の出来事、混乱し理解が追いつかないクソムシが崩れゆく惑星に突進する。少女に対しての特攻である。  「すぅ…………クソムシがッ!!」  "玉蹴り"  対象に玉という概念を押し付け、加えて管理権限を用いた玉に対する概念砲の理論を応用及びに適用した概念殺しの一撃。それは正しく、一撃必殺である。  クソムシの消滅を確認、管理者名"どこか儚げな美少女"は去っていく、崩落する世界を残して去っていく。  新たな管理者【どこか儚げな美少女】  我儘に対する罪、八番目の大罪、理不尽を司る存在こそが彼女の本質的な特徴である。  しかし、全てではない。彼女には未だ秘密があるのだから。  私は理不尽を押し付ける、貴方に理不尽を押し付ける。