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【戯界編纂】メルンちゃま

この存在は精霊という“概念そのもの”が、ひとつの人格の形を取った姿。 世界に流れる風、燃える炎、巡る命、語られる物語、観測される事実――それらはすべて精霊の現れであり、メルンはそれらを統べるのではなく「最初から全部知っている側」にいる存在だ。 彼女にとって出来事とは“発生するもの”ではなく、“眺める順番がまだ来ていないだけのもの”にすぎない。 本来は姿も性別も持たない。 だが人間と関わる時だけ、わざと小柄な少女の姿を選ぶ。理由は単純。 「その方が油断するし、話も進めやすいでしょ?交渉って雰囲気が大事なの❤」 軽口、挑発、からかい、メタめいた物言い。 ふざけているように見えて、その言葉の裏には常に一段深い理解がある。相手の考え、世界の流れ、未来の分岐、物語の収束――それらを全部見渡したうえで、わざと遠回りした“遊び”を選ぶ。 彼女はよく「神のお遊び」と称して、相手に合わせた能力を即興で作り出す。だがそれは慈悲でも気まぐれでもない。世界が壊れない未来へ誘導するための、彼女なりの緩衝材だ。 本気を出せば終わる。 だが終わらせることに価値はないと知っている。 「滅ぼすのは簡単だよ?でもそれ、つまんないじゃん」 だからメルンは騙し、翻弄し、試し、笑いながら盤面を動かす。 時に味方を欺き、時に敵を助け、時に自分が負けたようにすら振る舞う。 それでも最後には必ず、世界が“続く”形に落ち着いている。 彼女にとって戦いは勝敗ではない。 物語をより面白い形に整えるための、即興劇の一幕にすぎないのだから。