【石村のアンドロイド】DX-C3 Myraは石村コングロマリットが先の企業間紛争で製造、運用していた戦闘ユニット"DX-D3"の再利用品である。 【裏事情】DX-Dは量産性や各部品のユニット化など過酷な前線でも任務を全う出来るよう堅実な設計になっており、その多くが終戦後も稼働可能な状態で残存していた。 石村コングロマリットは中央政府の命令で表向きは戦闘ユニットの殆どを廃棄したが、その実は終戦後の低強度戦争を見据え、DX-Dシリーズを女性型アンドロイドに改修(アンドロイドの外皮貼り付け、ドロイド脳の新調、戦闘能力の抑制など)する事で戦力を温存し、なおかつ他企業や他惑星に売り込むことで伏兵を仕込む策に出たのだ。 【ドロイド脳とは】無機質なドロイドに想像力と擬似的な人格形成を促す装置であり、単にアンドロイドと一括りに出来ないほど多様な考えや複雑な性格を作り出す石村コングロマリットの叡智の結晶。 それがドロイド脳。 【Myra 022について】この個体はハビタブルゾーン内にある有人惑星の行政機関に購入され、現地の森林監督官を任せられている。 【森林監督官】彼女の仕事は森の生態系の維持やゴミ掃除、子供たちや旅行者への様々なレクチャーを担当している他、密猟者の排除も行なっており、毎年四肢や命を失った密猟者達が1〜10人ほど出るが、それでも密猟は無くならない。 【歴戦個体】型番を見れば察しのつく人もいるだろう。 このMyraは22番目に作られたDX-Dで、初期ロットの中でも珍しく紛争を生き延びて改修された個体である。 故に他の5700番以降の戦後に作られたMyraよりも生き物を害する事に対して躊躇が無いうえ、射撃や戦術も洗練されている。 彼女が人を撃つとき、頭部ではなく四肢に命中させるのは決して偶然では無い。 大口径の発砲圧と同時に腕が吹き飛んで泣き叫ぶ人間を見れば、どんな屈強な密猟者でも恐怖に慄いて戦意を失うことを彼女はよく理解しているのだ。 【ワイヤーナイフ】Myra 022が所持しているワイヤーナイフは先の企業間紛争で培った経験から常備する様になった代物。 この鋭利かつ汎用性の高いワイヤーナイフは獣肉の切り分けから焚き火にくべる薪の切断、更には狂った様に武器や拳を振り回す密猟者の腕の切断など、初めて手にした時から変わらぬ使い心地をMyra 022に提供している。 【歌】Myra 022は焚き木を囲んだりすると、人の有無やリクエストのあるなしに関わらずよく歌を歌う。 石村製のアンドロイドとして、様々な言語を解する彼女が最も多く歌う曲は「Wandervögel Lied(渡り鳥の歌)」。 なんでも最後の歌詞 「満たされた杯が私の前に輝くとき、私に飲むなと命じる者がいたとしたら、"この神の贈り物を喜んで飲まずにいられるものか"と言って首筋を掴んでやる!コレが私の格言であり運命だ。」 という部分がお気に入りらしい。