とある組織に所属していた、名もなき青年。 過去より魔法が上手くなったが、その代わりに筋力が衰えていった。 ある事件発生後、彼は数々の悪行を繰り返した組織を滅ぼした。 「僕はこんなことをしたかったわけじゃないんだ……。」 「よう!そこの陰気な青年!俺のことが見えてるなら連れてってくれよ!」 「寂しい思いはさせないぜ、なんてったって俺も珍しい精霊だからな!独りの寂しさはよく知ってるつもりだぜ。」 「あぁ、そうか。それならよろしく頼むぜ兄弟!」 ………メモリーチップを読み取りました、以下の情報を開示します。 (以前の情報は破損しています……)と思われたが、禁忌を行う魔術師の家の一人息子だ。ボスはこの町を守るため、かの魔術師の血脈を根絶やしにする予定だったようだが、流石のボスでも、幼い少年を殺めることはできなかったようだ。 ボスが選んだ選択が、どのようになるのか、未来が見えない俺には分からないが、叶うことなら平穏な日々を送ることを祈っています。 ……なんて、いささかセンチな気分になりすぎたかな。この情報は削除しておこう、俺の主観が混じりすぎている。ボスにどうやって誤魔化そうかな…… 既存の情報は以上になります…… データを消去しますか? YES/NO