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【無意識的な恨み/魔女の落とし子】レリック・ホイソーン

魔女。その言葉なら俺だって聞いたことはあった。 でも、中身なんて知る由もなかった。 俺を育ててくれた爺さんは、教えてくれなかったから。 今ならその理由がわかるよ。 子供だった俺には、その事実はとても重いものだったろうから。 魔女の子だと謂われた者は、直に火あぶりの刑に処された。 無意味だというのに、何故人々はそうするのだろう? 結局、魔女の魂は輪廻し、またどいつかに宿るというのに。 爺さんが言ってくれた「好きに生きろ」を支えにして此処まで生きてきた。爺さんは、俺なら、断ち切れると、礎になんてならないと、そう信じて育ててくれたんだろうな。 …そうだな爺さん。俺は…… 俺は、魔女の魂の言いなりになんてならない。 俺は俺らしく、この内に秘める怒りを発散していくよ。 ゼッテー俺が足を運ぶことはないだろうな。 魔女が殺されたあの場所…ソムリエの花畑には。