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触樹とグローナ『狂気の二人』【七災の一】

女神グリリモーアが天に還ってしまい、地上における混沌は静まらなくなってしまいました。世界の崩壊は近づき、かつてグリリモーアが封印した七の災いが再び起きようとしています。これを七災と呼び、地上に住む生命は全て七災に怯えていました。そんな世界を脅かす七災において一番目に起きる災いが【触樹とグローナ】の出現です。触樹とグローナはかつて人間であり、天才的な魔術師でもあり、なにより恋人同士でした。しかし二人の間に育まれた愛は何やら狂気的。いつしかグローナは禁忌魔法を研究し、何もかもを腐食させる力を手に入れ、そしてその腐食に触樹だけが耐えられるようにしたのです。そのせいで、触樹の身体は腐食に耐えながら爛れ続けるようになり樹木のようになってしまいました。二人の積み上げた功績は腐り消えていき、グローナと、そして爛れ続けている自分だけが残っている。それでも触樹はグローナの全てを愛し、受け入れたようです。やがて、禁忌魔法を作り出したことは神に背くことと同義であるため、グローナとそれを肯定した触樹は神による封印を受けました。二人はこうした過去を持っています。数々の封印された存在の中でも強大な力を持つ七の災い。グリリモーアが還った今、それらは封印を脱しようとしています。その一つが、封印すら腐らせたグローナと、その傍でたった一人腐らず存在し続ける触樹なのです。