「はぁ……」 小さい、ほんの小さい溜息が溢れる。 管理権を"押し付けられた" 床に散らかった書類、ひどいクマ、溢れたコーヒーの臭いが鼻をつく。 キーボードを叩く指は規則的なリズムを保ったまま、液晶の光に瞳孔が開く。乾いた口から呪文のように言葉が漏れていく。 「Alo構想に作成図を追加……、開口の普選式に多元的な構文を提示、3時までには間に合う……はず。並立的な多数決論の不備の修正は間に合わない、というか無理……。アドミニクの定理の見直しはまた今度。あー眠い……アラバク派の闘争についての論文の作成は大丈夫、問題はサラル派が大人しくしてくれるか。あとは過去の分析結果にどう反応するかの予測は必須、でも時間が足りないから…………」 疲れた。ここ1ヶ月はまともに寝れてないだろう、塔に対して送られてくる情報の処理は7割がこちらが担う。いつもいつも不公平で、理不尽だ。 「やべっ、一瞬寝かけた……」 断続的な意識、脳が心臓が如く脈打つ感覚が嫌でもへばりついてくる。指先の感覚が鈍い、だがキーボードを正確に打点し、情報を整理する手は止まらない、いや止められないのだ。 「んっ？」 作業していた手が止まる、物音？、いやそんな優しいものではない。 「これは紛れもない……」 ""破壊音"" 瞬間、紙吹雪が如く資料が舞い散る。 肩の側を砲弾が掠めた。 ふらつく視線、落ち着け。 混乱する視線が床に向けられた、潰れた門番を捉える。先程のあれは砲弾などではなく、千切れた頭部であったと気づくのに数秒かかった。 「…………うぷっ」 吐いた、胃が急激な収縮と膨張を繰り返して内容物を逆流させる。僅かな胃液が床に飛び散った、息苦しい。助けて。 「……ふ、ひっ！？」 誰かがいた、分からない。怖い、怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖いこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲｺﾜｲ 私は弱い、私は憎い、私は怖い。 私は立ち上がる、私は対峙する、未知に対して威を向ける。 「ひ、あぁ、あぃぁぁぃいああぁあッﾂ！！！！！」 私は踏み出す、死へと踏み出す。 https://ai-battler.com/battle/0443d3dd-076c-4094-9f1c-75821e2203c9