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【謎の予感】 キーメイカー

ある日、女はある男の事が気になった。味方となって何度も行動する事があったが、どこか打ち明けない様子がとても気掛かりだった。 その日の晩に寝ているところに忍び込み、記憶を読み取ろうと試みた。情報を盗み取ろうとか、何か悪巧みとかではなく純粋に男の事が知りたかった女だったが、隙がないとされる男の記憶にどういうわけか潜り込む事に成功した。 長らく男の記憶の中を探り、見つけたのは男の運命が変わった日のことだった。裏切り…悪意…男の心情が聞こえてくる中、ある声が聞こえた。その時、視界が黒と白に変わり、そして赤い矢印と想像を絶する痛みが自分を襲うのだった。 その痛みのあまり、記憶を読み取るのを強制的に中断した女。男は既に起きていた。女は記憶を勝手に見た事を謝りながらも、見た記憶について聞こうとした。殺される覚悟もしたが、男は何もせず、何も語らなかった。 その日からだろうか、女は自分をつけ狙う存在が何となく分かるようになった。自分の勘にしてはその感覚に違和感を覚えながらも。 それは彼女が感じた危険信号なのか、それとも"何か"が彼女を弄んでいるのか…?