化学とはある意味魔法である 化学の発展に伴い人々は成長を得た それは時代と絡まれ料理、医療、環境保護と絡まれ まるで何にでも合う食材のごとく色々なものと絡み合って沢山の成長をもたらした だが、事の探求とは終わらぬものだ 全てに解を出す時などいつになるのだろう? 地球の歴史を1年に例えると、ヒトの歴史は約4時間に相当するという 猿人が誕生し人の歴史が開始した約700万年前からスマホやテレビなどを皆が使っている情報化社会である今 この全てがたった四時間になってしまうのだ その中の紀元前5世紀頃から始まる化学の歴史は十数秒しかない 産業革命以降からなら1秒にも満たない そんな短く儚い歴史でこの世の全てを人は語れているのだろうか? いいや語れていない 語れきれていない この世界はまだまだ探求できることがある 私は歴代に長命な人が多い家系に生まれた 遺伝情報が寿命に関与するのは25%程度だとしても私の長命は確定事象のようなものだ 残り75%の後天的事象 つまり生活環境を整えればその確率も上げられる まぁ簡単に言うが人間が全ての栄養を摂取し続けるというのは難易度が高いものだ 馬鹿みたいに色々な食材を食わなければならない 全部食い終わる前に胃が満タンになるわ案件である が、長命家系は25%の素点あった上で25%〜100%を変動させられる故、栄養が少し足りずとも高い点数を保てる そのくせ短命家系はこれの影響を凄い受けてしまう 先天的な素点を持たない短命家系は変動が0〜75% どうやっても100%にならぬ 長命家系に産まれるのは先天的な素点が寿命に加算される故に長命になりやすいのだ 恵まれた長命に生まれた私は長命なことを活かして貢献しなければならないのだと自覚した学生期 私は化学に好感を抱いた 厨二病期故の甘い考えもあるのだろうが、私は化学が好きだと言う想いは進路を考えた時も変わらずやがて私は化学の道を歩んでいた 探求や好奇心だけじゃない化学の深みを知った私は更に化学を探求する気を強めた 結果は功と為し27に博士号を取得 それから三年 色々なことを実験した 最初の1年は博士号を取得する過程で成したことを復習しながら化学者として働き2年目終盤で本格的な化学者としての活動を開始した 物質を操る能力 その本質は化学の賜物 ただでさえ世界の情報は膨大なのに化学の実験には工程が多すぎるような気がした この工程をこなす少しの時間すら惜しい ほんの僅かな時でも惜しいのだ この僅かな時を積み立てれば試行回数をもっと増やせるのに 三年目序盤、私はそう思い魔力や能力、呪力などの不可思議な力を研究する魔法学の研究者になった とは言え私は長命家系に産まれたとしても魔法使いの家系に産まれたわけではない 私はまず情報とサンプルを求めこの広い世界を回り始めた が、あらゆる書物や実物を見る度に何度も何度も私の存在が揺らぐ 天は人の上に人を作らず、天は二物を与えずとは言うが明らか二物与えられてるやつが平気でうようよしているのだ 天賦の才滅べよと、私の存在意味あるの?と何度苦悩したことか だが諦めるわけには行かない 私も研究の結果に二物を手に入れれば良いんだから 魔力研究の成果もあってか魔力についての仮説を幾つか作った 医療機関と協力し魔力を保有する人々の臓器やどう使うのかについて更に研究を重ねた 分かったのは魔力保有者はある特定の器官が生えているか本来ある器官が更に発達しているということだった 魔力の素が体外物質だった場合、空気中からそれを分解しエネルギーとする器官が必要である 肺を成長させたり別器官を生やしたりすることで変換を可能にしているのだろう 魔力の素が体内物質ならその素は食事で補給する栄養からだろうか まぁどちらにせよ補給したエネルギーから魔力変換を行うなら消化器官に何かしら仕組みが増えているのはそんなにおかしいことでもない 勿論空虚から湧き出す例外もいたのだが概念や理を自らの魔力の核とするなら私は魔力に手を出しようがない 刻まれるべきして生まれたそれはまさに神から与えられたもの 後天的にそれを得るなら神や改変者を頼らねばいけない が、解き明かす者として事象を改変するやつに頼るのは気が引ける 私の研究はその者によって一瞬で砕かれてしまうからだ 私は何が器官を成長させるきっかけなのかをさらに深く調べた だが殆どは遺伝によるもので原初の存在がどう魔力を得たのか分かり得ないものだった いや、待てよ その原初とは願望の塊だったのか? 原初と言えば挙げられるのは神 神は人を自身に似せて作ったらしい 故に元々人は何か力を持っていた? それが何らかの方法で失伝してしまった 種に優劣が生まれた故、持つ者と持たぬ者で二分化してしまったのか? 私はその仮説を以て神話を訪ねてみた 人間は特別らしく、物質(体)と非物質(魂/霊)と両方の部分を持っているらしい 無から湧いていたパターンは勝手に概念だと思っていたがこの非物質 見えない方のものが働いているのかもしれないなと私は思った だが、この論だと魔力を生む非物質を皆が持ってようと皆が魔力を使えないのは何故なんだ?と言う話になってくる やっぱり非物質にも使えるものと使えないものがあって神の定めにてそれを分けているのだろうか それとも魔力が漏れ出しているが魔力が身体に適合しないのか 私は協力者の血液検査をしてみた 血液に関する形の魔法を使う人はO型やAB型が多い 共通点といえば両者とも他の血液と混ざり合える素質を持つ事だ 赤血球のみの輸血であればO型が万能血液と化し血漿のみの輸血であればAB型が万能血液と見做される 万能である故に血液魔法が適性を示すのだろうか 逆に一番多いとされるA型はどっちかと言うと型に沿うような魔法を得意としていた人が多かった 真面目や几帳面とよく言われる故に一般的な魔導書に載っているような魔法に適性を示したのだろう もちろん何ごとにも例外がいる 溶血を逆手に取った戦法を取るB型血液魔法使いもいた 溶血を主とする故、O型やAB型のように万能に動かせはしないがB型やA型でも血液魔法が使える事はあるらしい つまりは傾向が強いだけで頑張ればどの血液型でも覚えられる魔法の数に差異はないのだ ならば適合云々という論に血液型問題はない 血液の問題じゃないなら骨肉の問題でもない やはり非物質に何か仕組みがあるのだろう 器、根源、魂、霊魂 非物質的なものを調べ上げると根源が魔力の源的扱いならしい が、壊されると完全に消滅するという点は何故か魂に似ている 根源から溢れ出した魔力は器に溜まる 蛇口とバケツのようなものなのだろう 完全に締めていれば魔力は漏れ出さす根源の中に保有され続ける 魔力はハレを経験する度、次第に消えていきケを経験する度増える 魔力とはケが生む願望とされることもあるらしくそれは血を継ぐ者と共有される つまり他者の期待ですら魔力を生むらしい 無意識ながら何かを空想し親の胎盤に住む頃から魔力という期待や願望を保有するのだ 勿論、遺伝による親の魔力の引き継ぎや種族によるものなど様々な事情も絡む故これは一例に過ぎない 根源から魔力が漏れているのにも関わらず魔力があまりない奴は願望を上手く魔力変換できなかったかそもそも期待されていなかったか親が願望も希望も期待もないような無気力な奴だったか歴代にそんな奴がいたかなど様々な要点が関わるらしく決して愛されなかったと早計するのは間違っているようにも思える 私の魔力はどれほどなのだろう?と私は空想した 根源の中に保有され続けていれば残るバケツは神秘の領域と化すらしい 魔法少女とは契約にて妖精のような生物を器に宿し妖精の力を動力源に元ある根源をこじ開け魔力を溢れさせるといったものなのだろうなと私は思った 変身中にしか魔法を使えないのは所謂瞼のようなものか 目を瞑る状態が正常なのであれば筋肉は目を瞑ることを強制する 妖精がこじ開けた根源の蓋は自動で閉じる仕組みなのだろう いやむしろ妖精なのだから根源の蓋を開けないまま魔力を解放しているのか?妖精の力を以て別の穴を作ったのなら自動で閉じなくても問題はない 妖精が閉じれば閉じるのだから 妖精が出れば消えるのだから 敢えて魔力の蓋を開けないのは生活を守るためだろうな 魔法少女というのは大体同じ仲間内だけに正体を晒すことが多く一般人ピーポーが正体を知るようなことは少ない それに魔力の蓋にもとに戻る機能がないなら魔力を何時でも使えてしまうかつ魔力を垂れ流してしまう そんな状態であれば敵側などに魔法少女じゃね?と思われるだろうし急に充実されればおかしいと噂を立ててしまう それに妖精は魔法少女を管理する方が何かといいのだろう 妖精と魔法少女との関係をわからせることができるからだ 魔法少女は妖精無しじゃ戦えない為、妖精を放っておくことができないし下手に機嫌を損ね妖精が変身拒否というこいつ死んどけに近いものをしてきたら困る 勿論、妖精も根源の魔力保有量や素質を見て選んでくるのだろうが誰だってクズとは組みたくはない 飽きさせたら魔法少女は戦えないので恐怖に怯えるしかないただの一般人になってしまう それがこれまでの日常だったにしろ魔法少女という存在や敵側の存在を知った上でいつもの生活してください言われても無理に決まっているのだ 勿論考えが拒否しようとそう歩まねばならないしいつかはきっと忘れることになる しかし魔法少女に心残りを残したその子は魔法少女という経験を持ったその子は後悔なく人生を全うできるか? いいや多分一生後悔する あのまま続けていたらどうなっただろうかと一般人のように暮らしながら思うだろう 後悔してもしきれぬがな 私は思った 器と根源は先の器官と似ているなと 物質として生えるか非物質として生えるかで違いでもあるのだろうか 非物質より物質の方が理論的に説明がつきやすい位にしか違いがない 非物質については発祥が神話という人々の口伝から生まれたであろうもの 編纂した者は幾らでも嘘を告げるし口伝の誤りがないとは言えぬ そも神の存在ですら人々で意見が分かれるのにこの話を信じていいのか私は困った いやにしろ試すしかないのだが