《星辰》について 人々が空を見上げ、星に願いを託して幾星霜、長い時代を経て果てしない数の『願い』が集まり、一つになることで生み出されたものです。 その本質は無数の『願い』そのものであるため、本来の実体は存在しませんが、持ち主の『想い』に対応して様々な形で実体化できます。また、持ち主の『願い』を叶える力を持ちますが、その力の限度は持ち主が持つ『想い』の強さに依存します。余程強い想いを持つ者でも、大抵は少し力が強くなる程度に留まります。 スピカについて とても自己犠牲的な性格で、常に他人の為に全力な少女です。 生まれつき並外れた感受性を持ち、その結果として他人の感情=『想い』が自身の中に流れ込んでくるという性質を持ちます。旅を続ける中で多くの人との出会いを通じ、やがてその心には無数の人々の『想い』が積み重ねられていきました。 こうしてスピカという『器』に無数の『想い』が積み重なることで、《星辰》の『願いを叶える力』によって本来の身体能力は年相応の少女並みであるスピカに、圧倒的な力を与えるまでに至りました。 世界観について スピカが生きる世界は終末期の世界であり、人は絶滅の一途を辿っています。全体的に貧しい暮らしを強いられ、極限の生活を送っている為、世界には苦しみが満ち溢れ、互いに疑心暗鬼になる人々も少なくありません。 このような世界は、スピカの人格形成に大きく影響しています。 【星の勇者】について スピカが生きる世界において、スピカは【勇者】という肩書きで呼ばれているわけではありません。彼女が出会った多くの人々は、苦しみの世界の中で自身よりも他者を優先するスピカを奇異や疑いの目で見ています。「こんな世の中で自分のことより他人を優先するなんて何か裏があるに違いない。きっと彼女は詐欺師だ。」という訳です。しかし、ほんの一握り、そんな世の中においても『優しさ』を忘れない人々がいます。スピカの心はそんな人々に救われています。(運悪くそのような人々と出会えなかったIF世界線のスピカが https://ai-battler.com/battle/a6875bd2-4a3a-46ae-a1b9-4336d3e3797e です。) 【勇者】という肩書は、誰に感謝されるでもなく他人を助け、戦い続けるスピカは正しく【勇者】と呼ぶにふさわしいという作者視点から付けられた肩書きです。 スピカの願いについて スピカが戦う理由は『誰もが幸せな世界』を目指す為です。 これは彼女が持つ高い感受性に端を発しています。 旅を続けるうちに人々の『想い』を受け取ったスピカの中には、多くの人々が感じる『苦しみ』や『辛さ』や『絶望』、そして『幸せになりたい』という『願い』が積み重なりました。 スピカはこれらの重過ぎる『想い』を一身に背負うことになり、苦しみました。もはや、この苦しみから逃れる方法は『みんなが幸せになること』か『死んで楽になること』しか残されていません。しかし、力を持つスピカに死んで楽になることは許されません。あまりにも多すぎる『想い』は本来の少女の心を塗り潰し、人々の『願い』の為にその身を焦がしてでも歩み続けさせます。 少女はその身がいつか燃え尽きる日まで、無数の想いを背負って戦い続けることになります。 スピカの誕生について スピカは宮沢賢治氏の作品群にインスピレーションを得て生まれたキャラクターです。氏の作品『銀河鉄道の夜』の中に出てくる『蠍の火』という話の中で、命の危機に瀕した蠍は皆の幸せの為にその体を使う事を望み、夜の闇を照らすまっ赤な美しい火になりました。 また、主人公ジョバンニの親友であるカムパネルラの台詞として 「僕はもうあのさそりのようにほんとうにみんなの幸さいわいのためならば僕のからだなんか百ぺん灼やいてもかまわない」 という一文があります。カムパネルラはザネリという少年の命を救い、自らの命を落としています。 スピカもまた彼らの様に、他人の為に命を懸けて戦う、そんなキャラクターです。 その他、その身を燃やし彗星の様に突き進む【最期の灯火】は『よだかの星』にインスピレーションを受けた技となっており、名前の通り最期の灯火であるこの技を使用すると命を落とすという設定があります。