アブノーマリティ記録 (規制済み)に対するすべての試験記録は、話者と聴者の両方に深刻な精神的汚染を引き起こします。したがって、(規制済み)の外見に関しての記録はいかなるものも許可されません。具体的な説明を含む音声記録および文書記録は、すべて削除する必要があります。 上記作業の全記録は、レベル5以上の職員へ提出しなければなりません。 ランディ: あなたのような優秀な職員を収容室に送ることを申し訳なく思います。 収容室へ向かう前に何か最後の言葉はありますか? 勿論、最後の言葉と伝えましたが、もしものためのものにすぎません。 (規制済み): まあ、仕方ない。自分は認識崩壊に対して最高レベルの抵抗力を持っているからな。 若いころから免疫を持っていた。協調性がなく、普通ではないとよく言われたもんだ。 けれど、俺がここに入社した時、その異常な能力が他の奴らを救うカギとなった。 こんなこと、他のところじゃ経験することはできやしない。 ランディ: もう一度伝えておきます。 確かに、あなたの認識崩壊に対しての抵抗は最高レベルですが、それは人間の基準にすぎません。 制御不能な思考を鎮める場合は、10数えてください。 数も数えられない場合は、意図せずに吐き気を催していたり、呆然自失にあることでしょう。 ここではない、どこか別の場所にいると想像してください。 呼吸に集中して、憂鬱な気持ちには傾注しないように。 それでも自身を制御できなくなった場合、直ぐに収容室から出る必要があります。 (規制済み): いや、カウントは13からで充分だ。ランディ。 ランディ: こちら側からは、即座に対応することはできません。すべてのカメラがオフの状態です。 試験の終わりとともに声の録音だけが更新されます。あなたの無事を心配せざるを得ません。 では、私がさっき言ったことを繰り返してみてください。 (規制済み): 中へ入る、作業はしない。 共に入室した職員(規制済み)の仕事を観察するだけ。出来事すべてを記録する。 (規制済み)が危険にさらされていても、特に指示もないから彼を救おうとはしない。 これでいいか? ランディ: いいですね。 では、10からカウントダウンします。続いて、この通信は切断されます。 あなたに幸運を、成功のあらんことを。 (規制済み): 後悔はない。 俺には「最後の」音声を残す機会があるだけ、他の奴らよりかなり幸運だと思っている。 ああ、「最後」ってのはつまり... ランディ: そうです。あなたの記録は永遠に保管され、職員全員があなたを記憶することになるでしょう。 3... 2... 1... 接続が終了しました。 (規制済み): (中略) ランディ... これはまるで、ずっと前から存在していた、俺たちの(規制済み)のようだ... 俺は... そうか、これを見られるのは俺だけだと忘れていた。 (規制済み)と(規制済み)は... 奴らは増殖が可能なみたいだ。 ああ、職員(規制済み)が(規制済み)になった... (規制済み)みたいだ... 少し気分が悪くなってきたが、大丈夫だ... 職員(規制済み)の(規制済み)から(規制済み)が出てきた... 職員(規制済み)が(規制済み)のように叫び始めた... この叫び声は... 聞こえているか? これは、俺に(規制済み)を思い出させる... サウンド:(規制済み)---------------------------------------------------- もう分かってる... これは俺たちの(規制済み)だ、それこそが(規制済み)が存在する理由だ... こんな最悪の光景、俺は今まで見たことない。 俺は今身動きもできない、(規制済み)は俺を新たな宿主にふさわしいと見なしたみたいだ。 こっちに向かって近づいてきている。レコーダーは、俺の(規制済み)に置くつもりだ... この記録が次の奴らの役に立つことを願っている... 認識フィルタを採用した後でも、多くの管理人が正気を失いました。 理由の半分が(規制済み)によるものです。 認識フィルタを最高レベルまで上げて、管理人の認識能力を極力単純化しても、このアブノーマリティが視界に入り次第、それでも狂ってしまいます。 私たちは管理人を盲目にすべきでしょうか? 私たちはジレンマに陥っています。 ある職員は、巨大なぼかしでアブノーマリティを覆うことを提案しました。解決策はそれだけです。 システムの問題によりアブノーマリティのぼかしが解除された場合は、直ちに管理人を処分する必要があります。