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星雲に煌めく少女

僕には目覚めた時から記憶がない 大昔にはもっと、もっと遠く、高い宇宙を独りで漂っていたような気がする けれど、それは夢のような記憶で自分の物であるような実感がまるで沸かない 生まれた時から、僕はがらんどうだ。何かやらなきゃいけない事があって、再び目を覚ました筈なのに、それすら思い出せない 今の僕は、いや、きっと大昔から僕は、空っぽで、なぁんにも詰まってない軽い身体でフワフワ海を漂流するだけのクラゲだったんだろうね? ...それでも、一つ、ボクを満たしている何かがある この記憶は鮮明で、この虚ろを暖かく確かに満たしていた それは、星空の記憶 ”二人”で見た、約束の星空 そう、隣には”彼”がいてくれていた 私と違い、凛として、星の様に輝いていた。私なんかより才に溢れ燦然と輝いていた それなのに彼は共に居てくれて、隣でどんくさい私なんかと一緒に笑ってくれていた ...そんな彼とあの星空で、私は、約束を交わしたんだ。 この竜の首飾りと共に ...でもおかしい。そこに居る僕は何故か、彼と共に地に足を付けて見上げている 僕が本来いるべきはずの、蒼紫に煌めく、遙か彼方の星海を ...あぁ、だからきっと、そうだ。この記憶は僕の物じゃない        私 きっと、この器の物なのだろう そう気づいて、僕は願う .........会いたい。会って、話がしてみたい 私の事を教えて欲しい、もう一度暖めて欲しい。私の... .........否。”僕”の手を取って欲しい 僕を暖めて欲しい。僕の手取って、繋ぎとめて欲しい。がらんどうな僕を満たして欲しい 私にしてくれたみたいに。きっと、彼なら僕だって受け止めてくれる筈だ だから、そうだ。探しにいこう 彼が、今どこに居るのかは知らないけれど、大丈夫。きっと会える だって、約束したんだから この首飾りがきっと導いてくれるから