……ここまで到達した君へ送る 昔々、半年程前の事……あまり昔ではないな…… 食肉加工をして長い初老ほどの男性がいた。しかし、その男はとても若々しく、到底ジジイとは思えない程元気で強かった。 しかし若い頃、単純な作業が面倒に思えた男性はとあるボランティアを始める事になった。 きっかけは、ある日話しかけてきたささみだったそうな………男は最初こそ驚いたが、あまりに切実だったので、聞き入れることにした。 ささみは言った。「人間の貴方、人間の貴方、私は空を舞ってみたい。種族が成し得なかった夢を叶えさして欲しいのです」 その言葉を聞き、男も口を開く。「そうかそうか……まるで霊が話しかけているかのようだが、どうも違うらしいな。空を舞いたいならば、1日懐に隠れてなさい。お前の夢を叶えてやろう。」 ささみは感謝した。「ありがとうございます人間の貴方!!少しでも、亡き母上に近づきたかったのです。私はどうも意識が死なない様で、生き地獄の様になるとこでございました!!」 そしてその日ささみは、ずっと男の懐で隠れた。同族の解体の音は、相当苦しかったようで、ささみは男に質問をした。 「何故この様な残虐な事が出来るのでしょうか…?」 男は返す。 「そうだな……もしかしたら、鶏を食べたいっていう夢を持っている人が、いるかも知れないからかな?でも、酷だよね。分かってはいるんだけれど、これをやめたら僕は食べていけなくなるから。でも、君は食べない。空にちゃんと飛ばしてあげると約束する。」 ささみは、複雑な態度で過ごした。 そして作業終了後、佐藤は持ち合わせのロケットにささみをくくりつけた。 「宇宙服は要らないかね?」 「要らなーい!!」 「じゃあ、いってらっしゃーい!!」 どうっと音が鳴り、ささみは念願の空へと飛び立った。それを見送った男は、何やら満足げな顔で手を振り、しばらくした後、その場を後にした。 ……もう気づいているかもしれないが、これは佐藤 空の夢の応援者としての最初の一歩であるエピソードだ。この話から、佐藤は様々な人や生物、生物以外のものでも夢を応援し、先を照らした。 佐藤がこれまで積み上げた、夢が紡いだ奇跡の物語を、感じてほしい。