さーて、どうだった?アンレスさんのお味は?あっはは!苦戦したって顔してるー!はは! さーてお次は…フランちゃんね! この子は…、アリアさんと同じで例外中の例外って思うこと!君、面白半分で打ちに来るんじゃないよ? フランちゃんと出会ったのは…というか、この子は人間界から私のところに来て打ちに来たタイプの子ね。だいたい半年前くらいか…。 最初なんて美しい子が私の元に!?て思って、すごいびっくりしちゃったんだけど、話を聞いたらどうやらLの噂を聞きつけて打ちに来たってことでね…。 あと、美しい子って言ってるけど、うちの子はみーんな可愛いから!フランちゃん以外のみんなもすごい美人さんだからね!フランちゃんを特別扱いしてるわけじゃないよ!? そう、それで…それを聞いて、もう一回移したんだよね…、研究所の場所。必然的に人間界との繋がりが多い計画だから、人間界から魔界に入って最初のエリア、魔物の森に研究所があったんだけど、もう少し奥の薔薇の森に移すことにしたんだよね。面白半分で打ちに来て欲しくないから。 帰そうとしたんだけど、フランちゃんはすごい深刻な顔をしてるから…。一体どうしたんだろうって聞いてみたら、「私を魔族にして欲しいんです!」って、「そんなに可愛いなら人間界でやっていけると思うけどな…」って思った。 フランちゃんが言うには、「私、全然可愛くなくて、外歩くのが恥ずかしくて…、だから、いっそ化け物になって、魔族として生きようと思って!」ってね。 元々可愛いっていう自覚はあったっぽいんだけど、人間界の…言うなれば「勇者ブーム」?が始まった辺りから、美貌とかそういうことに人間が関心を持たなくなってしまってね。フランちゃん、元々自分の見た目を売りにしてお金を稼いでたから、戦闘経験とか全くなかったんだよね。だから、仕事もなくなっちゃったと…。 私、綺麗とか、綺麗じゃないとか関係なく、人間界は本当にお金とか地位に溺れてるんだなって思った。 だから私、フランちゃんをうちで立派に育てて、立派な魔族にして、絶対に幸せにするって誓った。 私ね、今まで保護してきた子達もだけど、真面目に頑張ってきた子はほんとに幸せになって欲しいんだ。 最後に、「本当に魔族になる覚悟はある?」って聞いた。フランちゃんは「なります。」ってはっきり言った。 私はLの投与を許可して、事前にちゃんと麻酔を打って、Lを投与した。 変異が始まった瞬間、フランちゃんの体が浮いて、背中から蝶の羽が生えてきたの!その後に白いマントが全身を覆って、繭みたいになって、またベッドに戻った。初めて見る光景で、すごく綺麗だった。 化け物になりたいっていう願いは叶えられなかったけど、元気になって、魔界をお出かけしたり、新しい生活に慣れようと頑張ってるフランちゃんを見て、「これでよかったな」って思ってる。 今じゃ、うちの子たちのアイドル的存在。目の保養だよ。みんな綺麗とか可愛いとかいっぱい言ってあげてるけど、人見知りだから反応に困ってお顔真っ赤にしちゃったりね。そういうところがまた可愛かったり…ね。 本来、フランちゃんは戦闘要員ではないんだけど、今の人間界を見てるといつ攻めてくるかも分からないし、ある程度の戦闘訓練はしたよ。そしたらすごい成長でね…ちゃんと戦えるし、持ってる能力もすごく強い。 だから、何度も言うように、油断しないこと!フランちゃんの攻撃は優しいけど、もろに食らったらすぐに夢の中だからね! じゃ、行ってらっしゃい。