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【黒い沈黙】■■■■

フィクサー時代はのっぺりとした真っ黒な仮面を被って活動していた。 それはフィクサーとして活動する以上は顔を知られない方が良いという育ての親である祖母からの教えであると同時に、都市の汚いことに加担している自分を見られたくないという自己嫌悪、羞恥心によるものでもあった。 かつてはチャールズ事務所というフィクサー事務所に所属しており、そこで当時の都市の星である案件「血染めの夜」の討伐を引き受けた際に、『青い残響』アルガリアの妹でもあった「アンジェリカ」と出会い、後に夫婦となってささやかながら幸せな生活を送っていた。 今のローランが仮面無しで居られるのも、彼女から教わった「それはそれ、これはこれ」という考えのおかげである。 しかし、その幸せも長くは続かなかった。 チャールズ事務所の同僚であったオリヴィエからの頼みで家を留守にしていた頃、当時住んでいた地区に都市で最悪の被害を出したねじれ「ピアニスト」が出現。 最終的に『黒い沈黙』…もといローランの手で鎮圧されることとなるが、その頃には既に身重であったアンジェリカは胎児諸共ピアニストの手で殺害されていた。 それからは狂ったように少しでもピアニストと関連の有りそうな施設および組織を襲撃して皆殺しにし、かつての同僚から「それだけ殺してしまえば何が何だか分からなくなるぞ!」と警告されてもそれは止まることはなかった。たとえ、その言葉通り自分が復讐したいだけなのか分からなくなっていたとしても。