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ピフレ

遥か昔、誰かの「願い」から生まれた。 その「願い」は平和と豊かさだった。 それは醜く歪曲した解釈で叶ってしまった。この世界の人類の歴史は闘争の歴史であり、その血みどろの闘争から文明は発展してきたからだ。 それは世界共通の敵として君臨し、世界の一致団結を促し更なる発展と豊穣に繋げようという破壊の神を生み出した。彼女は歪んだ「願い」を叶えるために動き出した。 彼女の遠い記憶の中に焼き付いているのは、まだ彼女が世界の敵として活動を始めたばかりの頃、彼女が世界の敵であると知らず、ただの少女と勘違いして歓迎した誰もが平等を掲げる平和主義の北国、クリフズである。 クリフズは彼女はただ1人の人間として迎え、ピフレという名を与え、裸だった彼女に服を与え、何も食べた事の無い彼女に美味しい食事を振る舞い、住む場所も与えた。 彼女がクリフズに長く留まることは無かったが、次第に彼女は自らが生まれた理由を疑い始めた。あれこそ真なる豊穣であり、「願い」の終着点なのでは?と。 そんな時、周辺の大国が他の大国との戦争に備え、手に入れれば地理的に優位に立てるクリフズを支配し、利用しようとした。 当然、クリフズの民は戦争に肩入れをするなど断り、抵抗を続けた。 その結果、大国によりクリフズは一夜にして地獄と化した。真っ白な雪景色だったはずの街は真っ赤に変わり、街のそこかしこに死体が転がり、魔術によるものと思われる死体はもはや人と形容し難い姿になっていた。 その惨状と、実際に大国がクリフズより魔術も技術も格が違う事を見たピフレはやはり人類とはこうなのだと改めて生まれた理由に一瞬でも疑念を抱き、平和に希望を見出したことに絶望した。次の日、大国は消滅した。 ピフレはその日から2度と平和などに惑わされないと誓い、今度こそ世界の敵となった。 好きな食べ物、というか今まで唯一食べたことのある物はクリフズ特製激辛料理。 クリフズで貰った服をただのボロ布一枚になってもまだ着ている。