「私があなたがたの代わりとなり、この過去に停滞する責を負おう。」 現実は未来を指す鏃として不可知の闇を引き裂き、その過去は輝く軌跡となって既知を彩る───其は「世を番える」者であり、その身で移ろい行く運命の可能性を体現する『変遷』の後継者である。 異なる世界を渡り歩いては、留まっている世界を番えて新たな未来と変化を与える。其が「見送られる」側になることは無い… もちろん、彼女は世界を放った地点、つまり世界の外の『過去』に取り残される。『変遷』の責を負う者は、誰ともその道を共にすることができないということ。 …たとえ彼女がそれを望んだとしても。 「我々の道はここで交わった。そして、二度と交わることはなく…」 「…休んでも、振り返ってもいいから、止まることなく前へ進め。」 「その旅路に足跡を刻み、刹那の出会いと一抹の迷いを飲み干せ。」 ────その道が『変遷』に満ちたものであることを願う。