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【永久の贖罪者】ルーク・A・シュニール

かつて貴族であった男の末路。その男は弱き者を助け、悪しき者をくじく「弱者救済」を理想に掲げ民からの信頼も厚かった。しかし男は知ってしまった。聖と邪はコインの裏表、見方を変えれば簡単に変わってしまうことに、そして人は生まれながらに悪性を持っていて、かつて弱者だった者が、今の弱者を虐げている現実に。その後彼は、自らの理想は何だったのか考えているうちに、平民上がりの従者に裏切られ処刑された。しかし、彼は冥府の底からノスフェラトゥとして、戻ってしまった。それからは血を求める化け物になり、生前の行いの意味を考えながら、夜を彷徨った。そして彼は救われた。不死者を倒さんとする者たち。例え骨が折れようとも、光を失おうとも、喉を潰され、腕を失っても諦めなかった者たちに、そして死に体の状態から自らの片目を潰した勇気ある者に。彼はその者たちから勇気の尊さを知った。そしてそんな美しき物を持つ彼らを捨て駒のように安全圏から石を投げる利己主義に対して、そしてそんな綺麗なものを生前見つけることができなかった自分へ、激しい怨嗟を持つようになった。そして彼は、贖罪として片目を治さず、美しい彼らの勇気を踏み躙る利己主義者を抹殺し、人間から血を吸う事と自死をし楽になることを禁じた。彼の贖罪は未だ終わらず。いつの日か、勇気ある者が、彼を滅殺する迄、彼の魂が救済される迄。