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【餅神降臨】餅月千代女

https://ai-battler.com/battle/abbedfe8-f90b-4b06-83e5-ca85dff7885e 第3話↑ 【白面金毛】プロフィール欄にて 『餅月千代女の冒険・4(終)』 「千代女、実は…」 「貴方は私、餅神の半身なのです」 「なんじゃと?わしが神さまの一部だとでも言うのかの?」 「はい、その通りです」 餅神は経緯を話し始めます。 「私はかつて、お米帝国のお米大王と戦っていました。相手を追い詰めるも力及ばず、私は封印されてしまいそうになったのです」 「私は咄嗟に、お餅を生み出す力を切り離すことを思いつきました。私が封印されても、この力さえ残ればもちもち国は救われるかもしれない。そう思ったのです。」 「そして私は半身に力を移し、逃がすことに成功しました。その半身は一人の少女として自我を持ち、もちもち国の姫として育てられることになったのです」 「のじゃ…それがわしというわけか」 「はい。私の期待通り、貴方は私を復活させてくれました。本当に感謝しています。」 「そして聞いてください、千代女。決戦が迫っています。いまこそ、我々が一つになるときです。」 千代女は怯えた声で言います。 「のじゃ…それでは、わしは、わしは消えてしまうのか?」 「ご安心ください、千代女。そうはなりません。一時的に融合するだけです」 「それならよかったのじゃ。わしも餅神さまと一緒に戦うのじゃよ!」 「…ありがとうございます。では行きましょう、お餅帝国の本拠地へ!」 ーーーーーーーーーー 「ククク、来たか、餅神よ」 「はい、借りを返しに。そしてもちもち国を護るために」 「のじゃー!おぬしの好きにはさせんのじゃ!」 餅神と千代女の身体が光に包まれ、一つに重なります。遂に、餅神が完全に力を取り戻しました。 「ああ、何という力。千代女、貴方はいったいどれだけの人を幸せにしたのですか」 「(のじゃ!わしもサポートするのじゃよ!)」 「面白い。餅神よ、かかってこい!」 「分かりました。見せてあげましょう、甘き餅の夢を」 餅神とお米大王の激戦は昼夜を問わず続きました。しかし徐々に餅神が優勢となります。 「わ、我が負けるだと!?」 「お米大王よ。貴方と私の力量は同じでした。しかし私には、千代女と、もちもち国の民の力があったのです。さあ、このお餅を食べなさい」 お餅を食べるお米大王。その目からは邪悪さがなくなっていました。 「…我が間違っていた。お米にもお餅にもそれぞれの良さがある、それに気づくことができた」 「はい。これからは両国、手を取り合って歩んでいきましょう」 餅神の身体が再び光りだし、千代女と分離しました。 「餅神さま、やったのじゃ!それではもちもち国に帰るとするかの!」 「ええ、帰りましょう。我らのもちもち国に」 ーーーーーーーーーー 「じいや、ばあや、今帰ったのじゃ!」 祖父母の家に帰った千代女。そこには現王の父と妃の母もいました。 「おお、父上に母上まで、珍しいのじゃ!」 笑顔で駆けよる千代女。抱きとめる両親は涙を流します。 「のじゃ!なんで泣くんじゃ!?」 「千代女、お前の出自を黙っていたこと、いつも忙しくて一緒に居られないこと、本当に済まない」 「ううん、いいのじゃよ。誰がなんて言おうと、わしは父上と母上の子で、じいやとばあやの孫じゃ。いつもみんなでつながっているから、ちっとも寂しくないのじゃ!」 それからは皆で泣き、笑い、抱き合って、家族団欒を過ごしましたとさ。めでたしめでたし。 ーーーーーーーーーー しばらくたったある日、一人の少女が籠を持って歩いていました。足取りは軽く、鼻歌交じりで陽気です。そして、どこかで聞いたような声が聞こえてきました。 「今日もお餅が美味しいのじゃ!」 おわり