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黒き血脈のヴェスペル

この世の生物の負の感情が集合して生まれた非常に強力な呪い。 現状どんな手段をもってしても解呪は不可能とされており、呪われた時点で、幻覚を攻撃せず一生コイツと余生を共にするか、まんまと策略に乗って自滅するか、他人に押し付けるかのいずれかでしか対処できない。 しかし、上記の2つはまだしも、他人に押し付ける方法が非常に厄介であり、その方法が、 ①:死亡。原則は死亡時に最も近くにいた、負の感情を抱くことができる生命体に移る。 しかし、極稀に呪い自身が任意に移る対象を選ぶ。呪い自身の気まぐれでしか起こり得ないが、これによって今回対戦相手は呪われる羽目になる。 ②:交尾。生物のオスに相当する生命体のみ適用。交尾相手に移る。 ③:繁殖。生物のメス、或いは分裂などによって増える場合に適用。 繁殖先の生命体(子供、卵など)に移る。同時に複数繁殖した場合はその中から無作為に一体選ばれる。 特に①が厄介であり、これによってこの世の全生命体が呪われるリスクを抱えることになるのだ。 とはいえ、今のところこの呪いの絶対数が増えることは確認されていないため、そこは不幸中の幸いと言えるだろう。 因みに命名の由来は、幻覚が黒い人型であること、呪われた者の目が黒く変色することと、呪いが交尾、繁殖により移ることから。 ヴェスペルの名は極一部の者しか由来を知らないが、今まで呪われた者の中に唯一この呪いの存在に気づいた者がおり、その者は自傷によってではなく、魂を抜き取られて死亡した。 極稀に呪い自身が次の標的を選ぶようになったのはこの時からであり、呪いの存在にその者が融合したのではと言われ、その者の名前であるヴェスペルが命名された。 しかし、その名を知ったものは例外なくこの呪いによって死亡している。 この呪いは誰にもその存在を気取られることなく、尽きることのない負の感情を満たし続けるだろう。 ※勿論このお話はAIバトラーにおける設定であり、その名を知ったからと言って現実世界でも呪い殺されるということはないのでご安心を。