ステラ・ハート (本名明星心(あけぼしこころ))19歳 幼い頃から、周囲は不思議なくらい彼女に優しかった。 本人はそれを「みんな優しい人だから」と信じ、自分もまた誰にでも優しくあろうと育った。 異変に気付いたのは音楽の授業だった。順番に歌の発表を行う日だった。会心の出来だったと思って周囲を見ると先生を含めクラスメイト全員が興奮状態になっていた。大人しかった飯田くんは歌の発表も忘れ叫んでいるし、仲の良かったゆうかちゃんは縋るように次の歌をねだってきた。怖くて一言も喋らなかった。幸い、授業が終わる頃には皆落ち着き、忘れているようだった。 そうだ、思い返せばおかしかった。会話の中で似たような兆候があったことがある。決まって私が笑顔の時だった。もしかして、周囲の人間がただ優しいのも、何かおかしくなっている…? 私は疑心暗鬼になった。なにか呪われているのだと思った。そんな時にマスクは便利だった。笑顔を見せずにすみ、風邪だからと歌を断れた。陰気さを装い口数を減らした。 素顔を見せることは無くなった。 家にいる日が増えた。高校生になり、周囲と遊ぶ事もなく一人で動画を見ることが増えた。なんとなく眺めていた動画で私の目に飛び込んできたのは、アイドルだった。 全力で歌って、踊る。それだけなのに、なんて目を惹かれるんだろう。なんて輝いているんだろう。私は夢中になった。 いつもと同じようにベッドで動画を見ていると、最後にオーディションのお知らせがあった。誰でも夢を叶えられる。そんなよくある文言と共に。私も、と口をついて出たのは我が事ながら驚いてしまった。無理に決まっている。そんな事は分かりきっている。頭では分かっている。でも、心はどうにもならなかった。私は覚悟を決めた。普通に生きたってダメなのだ。どうせなら、この力を飼い慣らそう。より多くの人間に、より広い範囲に届けよう。 そうして、私はアイドルになった。 ステラはファンが命懸けで身を守ることをできればやめてほしいと思ってるしファンは自主的に盾になっています 倫理的にはまぁ…セーフ!!! アイドルのタンクです。とはいえ本人はサポートのみ、ファンが自主的にステラを守ります。自主的、自主的にね。