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【 紀伝の雄傑 】

「まさか、この"偉大なる発明"の最初の一歩が、 かような出来事によって踏み出されるとは...」 ある人間とある龍の協力によって、数千の犠牲を経て完成された命 無尽蔵の命と力を誇り、戦場を崩壊させる なぜ、彼の龍は敵である人間にその身を渡したのか 彼が死んでしまった以上 その真実が語られることは無い 「純粋...あまりにも純粋だったその血に、 不浄を混ぜ込んだのはどこの誰だ。」 仮に人間が生命の神秘を自らの手のうちに収められるとして いや、納められたとして 生命の本質は移り変わるだろうか 「こうなって欲しくは無かったんだが...」 この兵器の登場は、新しく開かれた地上から数百年先の話になる 移住先惑星として適正な星をいくつか見つけ、それらを繋ぐ そしてその先に生命を生む だが、その生命が自らを命と自覚したのが問題だった 「我々には我々を絶対とする権利がある。」 それを否定すれば良かっただけだが、それは出来なかった 否定することは、男の人生を、 千年に渡る命を否定することになってしまうから そしてそれは、彼の友人を殺すことになってしまうから だから男は、人間でなくなった。 全ては世界を取り戻す為に。