《討伐称号》 【仮面の下の「万能ロボット」】 …NESTにて「NAMAHAGE-BLUE」を破壊し、人の可能性を証明せよ 我々は知ってしまった。あまりに合理的な存在が人の役割を代替するがゆえに人の未来を脅かしていることに。便利なロボットという仮面の下に隠れたその正体を。 未完成です… 実験レポートvol.432 結論として、耐圧殻の試験を一時中断し、制御棒の設計を見直すことを提案する。 今回の実験は耐圧殻の一部が融解したため、即時停止された。原因は制御棒の故障だと判明した。 NA-3によれば、現在制御棒に用いられているアキタ鋼は強度に優れるが、Nエネルギーの温度上昇に耐えられるほど融点が高くないことを指摘している。また、今回の実験でNエネルギーの生成装置の耐用年数も半分を切った。現在、特別研究第3班がアキタ鋼の含有量と制御棒の耐熱性の関係に関して実験を行っている。結果は1週間以内に出るとのことだった。 メモ 渉外部によれば、研究会議はNエネルギーの実験に集中すべきという意見が主流派になりつつあるとのことだ。確かにNエネルギーは未だ未知の要素が多く、現在はNエネルギーの研究とNコアの開発を同時並行で行っている。それは本来なら避けるべきことではあり、その点で研究会議は正しい。しかし、Nエネルギー生成装置の寿命を考えれば同時並行で進めざるを得ない。生成装置は世界にただ一つしかなく、しかも当初の計画段階からして耐用年数の9割を消費することになっていた。NA-1によれば、Nエネルギーの研究から再開する場合、それには14年ほどかかる。更にNコア開発も含めれば生成装置の寿命は2,3年ほどしか残らなくなってしまう。これは受け入れ難いほどのタイムロスだ。研究会議が過ちを犯す前に、この現実を渉外部だけでなく研究部や技術部も彼等に対して主張するべきだ。 ―――――――――――――――――――――――――― 機密資料62号 連合参謀本部宛 東大陸派遣軍緊急報告書 真山研究所制圧作戦について 作成者︰蘆名葵中佐 評価︰完全な失敗 概要 投入戦力 陸軍特殊作戦コマンド「甲鉄」 陸軍特殊作戦コマンド「天龍」 第1師団第2歩兵旅団 第3戦車師団第3戦車連隊 第5無人機航空団第4航空隊 損害 陸軍特殊作戦コマンド「甲鉄」全滅 陸軍特殊作戦コマンド「天龍」全滅 第1師団第2歩兵旅団 全滅 第3戦車師団第3戦車連隊 2割喪失 第5無人機航空団第4航空隊 1.6割喪失 真山研究所の制圧は失敗し、考えられる限り最悪の結果に終わりました。当該研究所で開発されていた機体が稼働し、突入部隊を文字通り殲滅したのです。突入部隊指揮官以下幕僚部も全滅し、帝国陸軍が誇る精鋭部隊は潰走するしかありませんでした。 僅かに回収できたデータによれば当該機体名は「NAMAHAGE-BLUE」、搭乗者は「ナマハゲ・アンドロイド 型式番号NA-1」です。動力にNエネルギーを用いているため、その能力は我が軍の1個師団以上に匹敵すると思われます。 あの機体、あの搭乗者は危険すぎます。帝国を守るために国防警戒レベルをレベル1に引き上げることを提言します。繰り返しますが、あれの完全な破壊のために核戦力も含めた帝国陸軍の総力を尽くさなければならないと確信しています。