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管理者(プロモ)

 結局、愛は亡くなった。  だが、不思議な事に世界はいつも通りに回っていた。管理権限を失ったせいで世界が壊れている事を私が知覚できていないだけか、それとも何らかの要因で事態が急変したかのどちらか一方だろう。  ふと運命則を砕いた人物の事を思い出す。白髪碧眼の美少女、それは儚さを帯びた美少女であった。  たしか、ちょうど彼女のような___。  目線の先、どこか儚げな美少女が立っていた。こちらを見ていたのだ、静かながらにこちらを凝視していたのである。  「………ッ!?」  ___ダッ!  私は走り出していた、彼女に向かって駆け出していたのである。私は彼女を知っている、私は彼女の事をよく知っている筈なのだ。荒く息を吐き、振り絞った声がどこか儚げな美少女に向かって飛び出した。  きっと彼女は……  「愛ッッ!!」  彼女は愛だ、愛なのだ。紛れもない、間違える筈がない。私は不恰好に走る、もつれた足取りを無理に立て直して走っている。  どこか儚げな美少女は、そんな私に対して微笑みを浮かべて背を向ける。彼女までが遠い、決して追いつけなかった。待って!、行かないで!  美少女の足が止まった、そして一瞬だけこちらに振り向いたかと思うとこう告げた。  「今はダメ……」  そう言って微笑んだ、それは儚げな笑みであった。一瞬にして彼女は消えてしまった、両膝に手をつく私は汗を垂らしながらも今の言葉を考える。  「今は……か…」  私は、少しだけ納得した表情を見せる。それは晴れやかであり、透き通った瞳が空を見上げる。  あれから何十年が過ぎたか、私は年を重ねた肉体をゆっくりと動かし歩いていた。やけに嫌な雨の日だった、傘が風に吹かれて揺れる。  ちょうど、あの日もこんな雨の日であった。私は首にかけたペンダントを握る、亡き愛の残した写真が入った大切なペンダント。寒風でその手が震える、横殴りの雨が私を地面に転ばせる。  「おっとと、年を取るのは嫌だねぇ」  私は土砂降りの中、立ち上がる。誰かが私に手を差し伸べてきた、私は躊躇いながらもその手を握った。  「すまないねぇ、こんな老体を起こしてくれるなん……!?」  私は目を見開く、私を助けた人物は……  「ふふっ、久しぶりですね。私、生まれ変われたんです」  私は彼女の名を口にする、涙が溢れて前が見えない。上擦った声でうまく話せない、ようやく彼女の名前が喉を通って声となる。  "愛…!"  名前を呼ばれた少女は笑う、儚く笑ったのであった。  〇〇者の橋(出口) https://ai-battler.com/battle/de0e85ab-1a4d-438f-8641-904a3406f566