白い髪とは、とある魔女の子の証。 その噂を知っているならば、奴隷商に売られている彼女を誰も買わなかっただろうな。もちろん、知っているならばの話だが。 とある異世界人と名乗る一人の凡人が、厄付きの美しいだけが取り柄の奴隷エルフを買っていった。見ていられなかったと。彼女は救わなきゃいけないと、そう感じ取ったと、語っていた。 エルフはひどい扱いを受け、心身ともに深い傷を負っていた。 その心を開くのは無理難題。それも心の澄んだエルフ族に、下心ありきの、恨みを買っている人間が。 しかしそれでも人間はやってのけた。彼女からの信頼を勝ち取り、伴侶かのように振る舞うことを許可された。(むしろそういった行動を取らないと怒られると…どちらが主人だかわかったもんじゃないな) 彼女が集まることはないだろう。 13人の魔女の落とし子たちが集まる恩讐の花畑に。