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【憎狼鬼】ウルファス

オオカミさんは気づきました 自分達は人間に悪役にされているのだと ある時オオカミさんは人間の女との間に子を作りました 子には女の持っていた武器を持たせ服を着せました オオカミさんはある時泣いていました。 でも何も言いませんでした。 オオカミさんは気づきました 自分達も"悪い人間"を懲らしめる物語を作れば良いんだ、と こうして旅が始まりました お腹が空いていたので、藁の家を吹き飛ばし木の家を叩き壊し、煉瓦の家に押し入って中に居た3匹の子豚を鍋で茹でて食べました 嘘をついている子どもが居ました。彼はオオカミを悪いやつだと"嘘"をついていました。なので他の人間ごと懲らしめました またお腹が空きました 母ヤギがオオカミを悪いやつだと教えていました。子ヤギもそれを信じていました。救えないと知ったので7匹の子ヤギを全て食べました。一匹一匹感謝しながらよく噛んで食べました。母ヤギもしっかりと"味わってから"食べました 人の家に押し入って好き勝手している子供がいたのでオオカミの動物園に送りました 家に戻ると父親や仲間は殺されていました 初めて自分の意思で人間を殺してやろうと決意しました。悪だろうがなんだろうがどうだって良いと。 街を襲い、老若男女問わず殺しました。 同胞を"絶滅"させた島国の連中や、自分達を悪者に仕立て上げた国々の連中も残さず殺しました。 ある日一人の女が目の前に現れました。 『母さんの頭巾…お前が……』 コイツが父親や仲間を殺した敵だと知るのに時間は要りませんでした。 『……なんで母さんを殺した』 知らないと答えました。父親は教えてくれなかったからです。 何故父親や仲間を殺したのか聞きました。 『母さんを殺したから。オオカミに殺されたって聞いたから』 もう言葉を交わす必要は完全に消えました。 お互いに殺し合いました。最早後戻りは出来ませんでした。もしかしたら…なんて考える余裕もありませんでした。憎しみと怒り、恨みをぶつけ合い互いに武器を振るい罵り合いながら殺し合いました。 果たして自分の父親は本当に仇なのか。それを知るものは何処にもいません。