星籠はてなの過去 私の両親は毒親だった。 何かするとすぐに引っぱたかれた。 ご飯は適当。 私は10年前、8歳の時、八つ当たりに耐えられずに家から逃げ出した。 目が覚めると私は小部屋の中にいた ここはどこ? 目の前には強面のマッチョの男が立っていた 彼は言った。 「あんたは、売られるんだよ。」 理解できなかった 「どうして?」 「どこに?」 男は答える 「さあな、あんたみたいな美人になりそうなお嬢ちゃんは高く売れるんだよ。」 はてなは無邪気に聞く 「どういうこと?」 男は無機質に言う 「いずれ分かるさ」 そう言って男は部屋を出ていった。 代わりに入って来たのは柄の悪い2人の男だった。 「おにいさんたち、だれ?さっきのおじちゃんはどうい....」 ドスッ 鈍い音ともにはてなの口が止まる 当たり前のように振り下ろされた金属で、彼女 は気絶してしまった。 目が覚めた。 殴られ、投げられた。 ぐるぐる巻きにされた。 「行くぞ」 真っ黒な車の後ろの座席に放り込まれ、車は動き出した。 「どこへ行くの?」 カチャ、なにか冷たいものが額に突き付けられた。 彼女は本能的に黙った。 「ついたぞ」 山の上?だろうか、酸素が薄い気がした また小屋に閉じ込められた。 今度はまるで海賊のような格好をした男達が現れた。 何やら部屋の向こうで話をしている。 「しなもんは?」 「部屋ん中入れといたぜ」 「毎度あり」 彼らは部屋に入ってきた。 入ってくるなりガシャーン、バットで目の前の箱を破壊した。 私は恐怖と共に耳を塞いだ。 「お嬢ちゃん今日からよろしくなぁ?」 「楽しくやろうぜ」 「おい、飯だ、食え」 そう言われておにぎりが地面に放られた。 「落ちたものは食べちゃだめ....」 ガシャーン 「くえ」 私は床に落ちたおにぎりを泣きながら食べた。 することは何も無かった。 男は気性が荒くすぐに私に当たった。 「おいお前」 「服を脱げ」 私は言われた通りにした 「こっちこい」 ついて行くとドラム缶があった 「入れ」 水だった 「体を洗え」 そう言われてタオルとスポンジと石鹸を渡された。 「綺麗にしねえと売れねえからな」 夜になると寝させられた。 男が寝た隙に逃げようと、ドアを開けると 次の瞬間、私は激しい痛みと共に床に倒れた。 前からバットで殴られたのだ。 ここでの暮らしはそんなのの繰り返しだった。 泣く事すら許されなかった。 「家に帰りたい」と泣いても殴られて泣き止まされた。 どのくらい居たかは分からない 「行くぞ」 突然だった。 車に乗せられ、そして着いた先で引き渡された。 重苦しいドアを何個も開けて奥へと入る 大きな施設のようだ。 しかし私にとっては何も変わらなかった 狭い小部屋に入れられ、相変わらず怖い監視が付いていた 毎日少しのご飯と床での睡眠、そして水浴びの生活、少しでもとろいと蹴られた。 監視役も何度か変わった。 どれだけ経ったのだろうか... 両親は助けてくれないだろう。 妹が心残りだった。 「れいあ...元気かな...」 話が聞こえた。 「あのガキは何歳になった?」 「今年で10だ」 「物好きには売れそうだな」 「ああ」 私にはなんの事か分からなかった。 売られたら更に遠くに行ってしまう。 その事は頭に過ぎった 男が部屋を開ける。 「おいガキ」 「ちょっとこっちに来いよ」 パァン 私は気がつくと男の腰から何かを抜き取り、手に握っていた 男が倒れた。 「おい何事だ!!!」 沢山の男達がこっちへ向かおうとしているのが分かる。 私は走った。 目の前に誰かが立ちふさがればトリガーを引いた。 反動で後ろに転んだ。 必死に立ち上がって、死体を踏んで走った。 しかし、来た時に通ったような重たい扉は開かなかった。 だから隠れた。 カードキーで出入りする人を見つけた。 私は隠れてその男に忍び寄り、そして殺した。 弾を拾って、隠れて、そして撃つ。 これを繰り返してついに施設の外にでた。 私は銃を御守りのように握って走った。 山を走って下った。 警察に見つかった。 銃を見て彼らも追いかけてきた。 逃げた。 銃を隠して。 そして違う場所で保護された。 銃は服の中に隠していたのでバレなかった。 それから私は銃を御守りとして持ち歩いた。 私にとってこれは宝物。 今もスカートの中のガンホルダーに常に刺さっているわ。 スカートを少しめくって見せる。 「ほらね?」 我々は目の前の黒いコートの少女の瞳の奥に潜む闇に少しばかり足を踏み入れてしまったようだ。 それ以来彼女は銃を研究し、銃を制作している。 銃職人 星籠はてな 同級生の話 はてなちゃんはかわいいよね 無口だけどいつも落ち着いてキリッとしてて、 それでいて優しい子だよ でもどこか表情に影を感じるような... はてなちゃん?ああ男子の間では大人気だぜ! あのさらさらの緑髪からはすげーいい匂いがするんだぜ! ポニテも似合っててチョーかわいいよな! でもいつもコート着てるよな?寒がりなのかな... はてなちゃん?ああ知ってるよ。 あのB組の子だろう? どうやら人気らしいな 無口だがあの容姿は誰もほっとかないだろうな ん?噂?そうだな プールの授業には出席したがらないし、体育でも常に長袖だと聞いたな 体に傷でもあるんだろうか _ 無駄話 実際に撃つ用の銃はコートの中に隠しています。 スカートの中にあるのは偽物です。 コートは常に着ています。 常に人が怖いと感じています。 だからみんなに優しくして機嫌を伺っているつもりです。 実際は真顔で無言でこなすのでかっこいいと思われていますね 体中にあの時の傷跡が残っています。 自身による自傷の跡もあります。 親からは虐待を受けています。 娘が誘拐されて2年も居なくても結局親は何も変わりませんでした。 彼らは捜索願いすら出していませんでした。 帰ってきたはてなに舌打ちし、話を聞いた後 傷だらけの体にこんなんじゃ買い手なんてつかねえだろうな と吐き捨てました。 中学生の時、彼女は親の'お金稼ぎ'に使われました 高校生になってからはれいあと共に家から逃げ出して2人暮らしをしています。 妹は星籠れいあと言います。 彼女はよく奇跡を起こします。 彼女も親から受けた傷がありますが普段はお姉ちゃんが庇っているのでそこまでたくさんはありません。 あの2年間は酷かったようですね。 'お金稼ぎ'もお姉ちゃんが肩代わりしたので彼女は守られました。 お姉ちゃんにとっての唯一の癒しなんでしょう...きっと... 厨二病なのか謎の杖を持っています。 優しく活発なお姉ちゃんっ子の金髪ショートの少女です。