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【凡庸な英雄の娘】ルーシー・オルスト

ルーシーは現在ナグサダール大陸で最大規模を誇る【オルスト商会】を立ち上げた、【クライヴ・G・オルスト】という父と、その秘書であり、護衛の女性【モニカ・エリス・オルスト】という母の間に生まれた一人娘 彼女と両親の仲は非常に良好であり、彼女は両親から溺愛され、彼女自身も両親の事が大好きであり、まんざらでもない様子 だが、そんな仲睦まじい様子とは裏腹に、ルーシーは激しい自己嫌悪の感を常に抱いている というのも、ルーシーの両親は数年前にナグサダール大陸を含めた五大大陸全土の国を巻き込み勃発した、史上最大かつ、世界の存亡をかけた大戦争、【第十五次征神血戦】で大活躍した英雄達の一人であり、彼らは各々の優れた才覚を十二分に発揮して、その戦に大いに貢献していた 特に土台があったとはいえたったの一代且つ、数年でゼロから立ち上げた商会を大陸最大級にまで成長させた、クライヴの商才や、【心造兵装】という自身の心を強大な武具として顕現させるモニカの特殊な力は他の英雄と比べてもまるで見劣りしないだろう その上で、両親は弱き者を守る為に命を懸けて戦える人物であり、ルーシーはそんな両親を誇りに思っている …誇りに思っているからこそ、父の商才や母の力を何一つ継げなかった自身を「私は彼らの子にふさわしくない」と考えてしまい、どうにかして強くなりたいという焦りから、一人で身の丈に合わない試みを秘密で行い倒れてしまう事がしばしばある 両親は、「ルーシーが自分たちの子にふさわしくない」等、微塵も思っておらず、そのままの彼女で良いと考えているが、当のルーシーはそれを受け入れられず、彼女の無茶はまだ続きそうだ 更に、彼女には一人、幼馴染の少年がおり、彼の両親もまた【第十五次征神血戦】にて自身の両親と共に大活躍した英雄である 何より、その幼馴染の少年は自身とは違い両親の力を見事に受け継いで、使いこなしており、それも、ルーシーの自己嫌悪や劣等感を更に強めてしまっている要因の一つである とはいえ、その少年とは仲が悪いのかといえば、そんなことは無く、仲は良好であり、寧ろルーシーは彼の事を好いてもいる 彼の自信に溢れた堂々とした立ち振る舞いは彼女の憧れであり、目標となっているようだ