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『Order of Chaos』『頂上舞闘戦 編』第五十二話〜

第五十二話『解玉』 フリーレンのオーラが全て変わる… オーラからは全宇宙の概念が内包されていた… 目からは無限の時空を映すブラックホール… 銀色の流星群のような髪… 黒と深紫の長衣を着て… 多次元の翼を生やす… フリーレン『お前に言ってなかったか? 俺は概念を操れるって…』 アルス『なら知ってるか?俺の能力は… 全知全能。言わば全て可能にできるんだ…』 フリーレン『へぇ…そうかい…そうかい…』 アルス『もうお前を"親友"と呼ぶことはない… その口を開け無くしてやるよ…』 先手を打ったのは… フリーレンだった。 《超神世界爆裂破戒斬》 フリーレンの手の先から発現する黒い斬撃はいとも容易く自分の定義づける概念さえ捻じ曲げる… 不可侵の斬撃だとしても…アルスが見逃すはずもない… アルス『やるか…!!』 ブゥゥン!!   フリーレン『(いつの間にか空中に…。っ…!?)』 ガシッ… フリーレンを蒼い縄が掴み、アルスはフリーレンを引き寄せた… アルス『ちっ…!!』 バールをフリーレンの身体に向け一芯… 身体に風穴を開け… フリーレンに叩き込んだ… アルス『内部破壊…』 フリーレンの周りに紅い塊が… その瞬間…紅い塊から発生させられた棘がフリーレンの体を無数に刺した… フリーレン『ちっ…!!!!』 アルス『終わりだ…』 ……… 第五十三話『創真』 Nexus『………混沌の王やらは何処に…』 混沌の王『………急用ができた。そこを退け…』 Nexus『残念だが…行かせねぇよ…』  混沌の王『微かにプリズム・フォレストのエネルギーを感じる…お前の手にある種… 叩き潰してやるよ…』 Nexus『俺のチカラ…お前でも定義付けることは無理みたいだな…』 混沌の王『なんだと…』  ゴゴゴゴゴ…!! Nexus『お前が見ていたのは…俺が創った前代未聞の"Illusion"さ…』 Nexusの後ろからPrism・Forestが浮き出てくる… 混沌の王『なっ…!? ならお前が持っているのは…』 Nexus『アレス!!』 Nexusは手に秘めた鍵をアレスに向かって投げつけた… 混沌の王『こいつ…20次元は軽く…』 Nexus『レッド・バレット…!』 紅く、何よりも紅い弾丸が混沌の王の頬を掠める…気を取られた瞬間… Nexus『今だ!やれ!』 グググ…バキッ! 混沌の王の背中に向かってアレスは鍵を刺した… Nexus『鍵が浅い…』 混沌の王『この鍵…途轍もない…チカラが… 小癪な…!』 混沌の王が首を動かそうとした瞬間… "動かない…何故だ…。まさか…" 混沌の王『ラファエル! まさかアストラル空間から脱出し、俺の邪魔を… 素晴らしい!俺は、俺はお前のような"強者"を求めていた!』 ラファエル『お前は俺たちを殺せない…何故なら…』 "…俺がいるから…" Nexus『ミラージュ・ブースト!』 ハマった…確実に。混沌の王の背中に鍵が… ゴゴゴゴゴ… 混沌の王『何故……俺をやれた…』 Nexus『俺とアレスのチカラが合わさったからさ…』 (言うなれば…短期決戦。 俺とアレスのチカラ、マインド・ドレイン、Blood R.Subが彼奴の気を誘った。彼奴には適応能力がある。 適応した攻撃、能力は瞬時に再生し、概念系の能力は無効化される。 不定義、彼奴がその概念に対する耐性を取得するんだ……確実に。長期決戦なら負けていた。) 混沌の王『見事だった…貴様達には敬意を評そう…次は必ず…覚えていろ…』 ドン!!…………。 エターナル・プリズンに混沌の王を封印することに成功した… Nexus『あの人は何処に行ったんだ?』 第五十四話 先天 龍王『AntiError!Dragon Kingか…』 AEDK『そうだが?』 龍王『今別世界の俺に構ってる様がねぇんだ… 協力するんだったらいいが?』 AEDK『いいだろう。それにしても…AntiMatterに飲み込まれるとは…やったな…』 フリーレン『はぁ……チカラが…』 アルス『お前の物語もここで尽きる。』 フリーレンが激しく動揺する… フリーレン『(俺の秩序は何のために…いや。今は殺し合いだ。秩序なんぞ関係ねぇ… 顕現しろ…厄災の化身よ…)』 アルス『さらばだな、最高神様…』 ズシャッ… フリーレン『…………。』 ゴゴゴゴゴ… アルスが振り返ると其処には… ネビロス『心地良く寝かせてくれよ。なぁ?』 ズギャァァァァン…!! アルス『俺と同じ系統のチカラ…混沌か?』 フリーレンの混沌の部分が秩序を上回った…今はネビロス。今さっき、一つの生命体として存在した… フリーレンが受けていた傷は瞬く間に回復していった… ネビロス『だかなぁ…?せっかくの現界だ。こいつの体が粉々になってもいい。好き勝手暴れてやろう。』 ネビロス『なんせ…"1500億年以上前"の顕現だからな…見せてやろう。本物の《殺し合い》というのを…。』 ゴゴゴゴゴ………! 龍王『久しぶりだね……ネビロス。君は下がっていて…巻き込まれたら君自身の概念が消し飛ぶ』 ネビロス『お前は…白狐。いや…龍王か…』 龍王『後輩達の前だから…"カッコつけて"もらうよ?フリーレン…30秒したら帰っておいで。』 ネビロス『あんまり舐めるなよ…』 第五十五話 戦神の極致 《領域展開》 龍王『《神球体》』 ネビロス『《虚空共鳴》』 2つの最強領域がぶつかり合う… 龍王『眠りから覚めたばかりで頭が追いついてないだろ… どうりで領域のチカラが弱い訳だ…。』 ネビロス『……ちっ…!!無限可能性爆裂!!』 ドゴッ!! ネビロスの龍王に攻撃を与えられる可能性… 0%… 龍王『余所見…。』 ネビロス『ぐっ…!』 龍王『もうすぐ30秒かな… 残念だけど、俺の出番もこれにておしまいか… 極壊 赫!!』 ネビロス『相手に無限の定義を無理矢理押し付ける…まったく…いつの時代も厄介な者だな。 "原初の存在"は!!』 龍王『………?何だ。』 ???『こんにゃろ〜!危ないって分かってるだろぉがぁ〜!』 シュッ… アルスは何者から投げられたポータルによって転送された… 龍王『横槍…?』 ニア『ここは任せろ!』 龍王『あぁ…?なんかリズムが乱れるな…』 ……… 別の場所に転送されたアルスはNexusと再会する… アルス『Nexus…俺は…どうすればいいんだ… このままじゃ…仲間と親友どっちも失ってしまう…』 Nexus『そう落ち込むな。"また"失いたくないんだろ?自分を信じろ。 "終わり良ければ全て良し"…そうだろ?』 アルス『…………』 ………… 絶大な魔力を醸し出す女性が向かってくる… KKR『何邪…』 ダニエル『ミステウスか…厄介DA…』 ……… 新月『こいつら…無尽蔵のエネルギー…長期戦した所で私が不利になる… いい加減!!』 『冥月』 その瞬間。 新月が刀に禍々しいオーラを放ち巨神達を切り刻んだ… 新月『邪魔しないでくれないかな…? って…』 コロンコロン… 巨神達は2つの石に変わった… ???『また利用させてもらったよ。』 新月『またか…いい加減にしてくれ…』 ……… アルス「アイツ大丈夫かな…」 アルス「そうだ…新月とユキ達!」 アルスはRaid!Boostで跳んでいった… アルス(あれ…おかしいな。新月のとんでもない魔力の気配が消えている?) 新月が戦っていた空間に着くとそこには… 2つの赤い石ころと黒い手袋。それを見てアルスは事を察した… アルス『裏の裏か、遅かった…ごめん………』 涙声でアルスは言っていた… 「俺も”全て失う”のか…?」 地面を叩きながら言った… アルス『終わったよ…なにもかもが…… どうするんだ…Nexus…』 ネクサス『決まってる。フリーレンを連れ戻しにいく…』 『望んでなかったろ?これが起きること。それに、お前一人で解決できる問題じゃない。あの猫と交代してくる…彼奴1人で出来るわけじゃねぇ。』 アルス『そうだなな…全て終わったら知りてえんだ…彼奴らに…”何が起きたか”…』 ネクサス『我儘だな、大分手伝ってやるってのに…聞いてチビるなよ?チビ助…』 アルス『あぁ…!逃げるわけねぇ…』 2つの赤い光が真反対の方向へと突き進んで行った…まるで… _______________________________________ プリズム・フォレストにて… エンドレス『アレス…手を貸してくれて本当に感謝してる…』 エンドレスはアレスの頭を撫でながら言った アレス『私は何もしてない…全て兄上のおかげ』 ビアトリス『その短い出来事のおかげで妾も無事ですわ、アレスちゃん…』 じぇむ『アレスちゃん!』 アレスは静かに照れた… プリズム・フォレストは混沌の王が投獄されてから姿を取り戻しつつあった… バギバギ… ビアトリス『あら…?ネクサスは何処へ行ったの?』 アレス『用があるって…だから…私、ちょっとここに残る…』 ビアトリス『忙しくさせてしまって本当に申し訳ないわ…後でお土産を渡してくるわ…』 __________________________________________________  第五十六話 俺達のタブー 禁忌の書庫… TWA『またここかよ…』 コズミック『使えるモノと使えないモノ…万物の禁忌が閉ざされてる場所にあるに違いない。 まるで毒みてぇだな…』 スピネル『しかし、困ったな…ここの門番は僕の能力を相殺できるアイツ…。下手に手を出せないね…』 スピネル『能力者の肉体が特別強いわけでもないのに、能力のこなし方がレベル違い… 僕と同じ、概念系統…扱うのは難しい…さすがはビアトリス、天使の根源。古代種なだけある…』 TWA『お前の独り事は結構。』 『…重要なことしか言わんがな。』 ジェネシス『やはり来たか…クズ共め』 スピネル『クズはお互い様さ…』 ジェネシス『お前らとはもう同じにするな。我はもう以前の我ではない。潔く帰れ…』 TWA『それは無理な話だ』 コズミック『ここには俺達の目的がある。こんなにいい機会はねぇ。』 ジェネシスは玉座に座って背を向きながら呟く… ジェネシス『力尽くで来るのか?アホ共め…それじゃあ…貴様らの目的のモノを消すことだって抑止力になるさ…』 _______________________________________ ニアとネビロスは、激しくぶつかり合っていた。 『砲雷・帝拳――ッ!』 『無限可能性爆裂――ッ!』 二人は同時に必殺技を叩き込む! ニア『うぎゃっ!? 腕が爆発したぁっ……!』 ネビロス『騒がしいやつだなァァ! 耳がイカれちまうだろがァ!』 さらに追撃を狙い、ネビロスがトドメを刺そうとした――その瞬間。 ニアは不敵に笑った。 ニア『アッシの役目は終わったにょーん! いでよ! ネクシィ!!』 空間が軋み、ネビロスの結界が強引に破られる。 現れたのは――ネクサス。 ネクサス『悪いな、ニア。囮役にしてしまって……』 ニア『へーきへーき。ネクシィの言葉なら、いつでも聞くさ! あとは頼んだよ!』 ネクサス『任せろ。後は俺がやる。』 ニアはOKサインを送り、その場を下がる。 ネビロスには、はっきりと見えていた。先程の者とは桁違いのオーラ――。 ネビロス『ほう……実に興味深い。完全ではないにせよ、俺の結界を強引に破るとはな……』 ネクサス『なんたって俺は、“何事にも縛られない者”だからな。……君と話してる暇はない。フリーレンに肉体の権限を戻せ。』 ネビロス『無理難題を……1500億年ぶりの目覚めだぞ。目覚めが悪いのは当然だろうが。』 ネクサス『ああ、そうかい……』 ネビロス『お前のような強者を、ずっと待ち望んでいた……殺しがいがあるッ!』 ネクサス『ウルセェよ……どいつもこいつも俺を殺したがる。そんなに嫌われてんのか、俺?』 ネビロス『(話が噛み合わん。この時代の者は変わっているな……)』 ネクサス『じゃあさ、プレゼントしてやるよ。“1500億年後”へのウェルカムをな……二度寝すんなよ? ナマケモノめ。』 ネビロス『ありがたいが……口だけ凡夫の言葉にしては滑稽だな。』 『領域展開――虚空共鳴』 再び次元が閉ざされ、結界が展開される。 だが、ネクサスはその効果を当たり前のように無効化していた。 “スカーレット・ブレイク”の力が、その空間法則さえ凌駕していた。 ネクサス『お前……どっかの漫画でも読んできたか?』 ネビロス『……何を言ってる。マンガとはなんだ?』 ネビロスが掌を伸ばし、ネクサスに触れる――存在概念ごと、消滅させるために。 ネクサス『案外速いんだな……』 ネビロス『ああな。つまり、貴様の終わりだ――』 ネクサス『油断するな。俺は“後ろ”だ。』 次の瞬間、ネビロスは宙に浮かされる。 空中から放たれた強烈なキックが炸裂し、地面に叩きつけられた! ネビロス『面倒くさいことに変わりはねぇ……“無限可能性爆裂”ッ!』 ネクサス『残念だな。今のお前はベストコンディションじゃないんだろ?』 『全方向・レッドバレット』 無数の弾丸がネビロスを貫き、その肉体を蜂の巣にする――。 それでも立ち上がろうとするネビロス。 ネクサス『真面目に戦ってる暇はない。フリーレンを戻すだけだ……安心しろ、お前は“消さない”。大人しくしてろ。』 ネビロス『“制約”か……気に食わねぇが……受けるしかねぇ……今回はお前の勝ちにしてやるよ。だが、次はねぇぞ……』 バキバキッ……パリン! 結界が割れ、世界は元の光を取り戻した。 フリーレンの魂が戻る――だが、意識は戻らない。 ネクサスはフリーレンの額に軽くデコピンをして、どこかへ通じるポータルへと姿を消した。 フリーレン『……結局どうなった……? 周りには何もねぇ……アルスがいない? 消した? ……それとも逃げられた……?』 --- ______________________________________________________ --- その頃、世界の外――いわゆる「Xeno」が存在する次元。 XenoVerseにおける戦いは、すでに終わっていた。 ロープに吊るされたミステウスが、目の前でジタバタしている。 リメル『ちょっと! いい加減に下ろせぇっつってんでしょ!! このバカァ!!!』 ダニエル『いやだって君、解いたら絶対噛みついてくるタイプじゃん……コワイもん。』 勇四郎『それにしても、実に似ておるでござるな……アレス殿に、顔も雰囲気も……』 リメル『だからその“アレス”って誰よ!? 知らないし!』 そこへ、一匹のシュナウザーがどこからともなく現れた。 そして――まさかの人語を話し始める。 スティーヴン『お嬢ちゃん、もしかして“ミステウス”って名乗ってるクチか?』 リメル『(……何この、顔が人間の犬。キモ……)で、それがどうしたの? 殺処分するってんなら、好きにすれば? 止めないけど?』 ダニエル『うるささで言えば、俺のBluetoothスピーカー超えたかもな……』 ――そんな中。 ニア『ただいまーっ!! ド派手に帰ってきたぞーっ!!』 ダニエル『……うん、やっぱうるさいの増えただけだったZE……』 ニアはリメルを見て、目をぱちくり。 ニア『あれっ!? アレスじゃん!? 髪色変えた!? イメチェン!?』 スティーヴン『それはアレスじゃない、別人だよニア。』 ニア『うぎゃーっ……! なんかもう、めっちゃ恥ずかしいんだけど……!!』 --- _______________________________________________________ --- ネクサス『アイツ…ちゃんと分かってるな。俺が自分より強いってことも。だけど、それでも頼ろうとはしない。 ……力だけじゃない。精神面も、ずいぶん成長した。』 ネクサス『――もうすぐ、か。』 --- _____________________________________________________________________________ --- フリーレン『はあ……どうすりゃいいんだよ……』 この空間には草一本生えておらず、ただただ沈黙と孤独が広がる虚無の空間だった。 フリーレン『……俺が、間違ってたのかもしれねぇ。 アルスの言ってたこと……あれが正しかったのかもな。 止めるタイミングを、誤ったのか……。いや、そもそも……本当に、あいつは殺そうとしてたのか……? 考えれば考えるほど、頭が……パンクしそうだ……』 --- _________________________________________________________________ ユキは、まるで凍った涙のようなガラス状の球体に閉じ込められていた。 その傍らには、紫色のキューブと化したナユタ。 そして、ネクロマンサーの姿はどこにもなかった――まるで最初から存在しなかったかのように。 暗黒に染まる空間の中心で、二体の巨神が沈黙を保ったまま、何かを待っているかのように佇んでいる。 ユキには、もはや涙を流す気力もなかった。 感情も、痛みも、希望すらも、全てが遠くへ霞んでいく。 彼女はただそこに横たわり、壊れた人形のように動かない。 ユキ『……ア…ルス……早く……』 その声は、まるで命の終わり際の吐息のように微かで、 ガラスの壁に遮られ、誰の耳にも届くことはなかった。 声なき祈りは、反響することもなく、 虚ろな空間にただ静かに、そして虚しく、消えていく。 _________________________________________________________ 第五十七話 まるで別次元の強さ… アレスはプリズム・フォレストを離れ、ネクサスからテレパシーで連絡を受けていた。 ネクサス『アレス…また厄介なことになるかもしれないが、頼みがある。いいか?』 アレス『兄上の頼みなら…何でも引き受ける。』 ネクサス『ありがとう。それで、その頼みだが… “もう一人の俺”、アルス=NEOを手伝ってくれないか?ちょっと心配でな。あいつが倒れたら、この世界の軸が消えてしまうかもしれない。 相手はフリーレンの親友だった者たち、“次元の根源”と“終焉の根源”だ。』 アレス『わかった…アレスが戻ったら、何をしてくれるんだ?』 ネクサス『また頭を撫でて欲しいのか?』 アレス『…うん。』 ネクサス『仕方ないな…あとでな。』 --- ________________________________________________________________ --- 第五十八話 解放の為の糸口 その頃、次元の根源と終焉の根源は、スピネルから新たな命を受けていた。 スピネル『厄介者が消えてくれたおかげで、計画はついに最終段階に入る。あの人間は最初から利用する気などなかった……殺して構わない。』 その言葉に応じ、終焉の根源は無言で剣を抜き放つ。 一方、次元の根源は静かに手をかざし、ユキを閉じ込めていた水晶の檻を音もなく溶かしていく。 ユキ『私は……どうしようもない人間で、みんなに迷惑ばかりかけて……ごめんなさい、本当に……』 語るたびに、声は震え、嗚咽が混じる。胸の奥から溢れる悔いと悲しみが、その場を覆っていた。 やがて、終焉の根源が剣を振り上げる。冷酷な一撃が振り下ろされようとした、その刹那―― 空間そのものが、まるで砕け散るかのように裂けた。 轟音とともに亀裂が走り、光が溢れ出す。 終焉の根源の剣が振り下ろされようとした、その瞬間―― 鋭い蹴りが刃を弾き飛ばした。 アルス『――見つけたぞ……ユキ!!!』 ユキ『アルス……!!! 信じてたよぉぉぉ!!!!!!!!!』 アルス『できるだけ離れてくれ。……生憎、今は感動に浸ってる時間はない。』 邪魔が入ったことで、次元と終焉の根源は動揺しつつも即座に判断を下す。 それは「アルスの存在の抹消」――。 アルス『起きろ、ヒルベルター!!!』 【ULTIMATE FIST】 ――全力の一撃。 その拳は終焉の根源の顔面に直撃した……が。 びくともしない。 アルス『……うっそだろ。短期間でここまで強化されたのか!? 聞いてねぇよそんなの!!』 アルスはすぐさま作戦を切り替える。 アルス『……仕方ねぇ、"アレ"を使うしかないか。』 懐から取り出したのは、一本の黒いUSB。 アルス『最近爆死ばっかでさ……正直、制御できるか自信ねぇけど。これが俺のとっておきだ!!!――何も起きないでくれよ!?』 そう言いながら、USBを自らの首に突き刺した。 変異――そう思われたが、黒き怪物への変化は起こらなかった。 アルス『あれ……?なんともない……ってことは、これが“開示”ってやつか……』 そう呟いたその瞬間―― 背後から、巨大な拳が飛んできて、アルスの身体を殴り飛ばした。 【AUTO HEALING(オートヒーリング)】 即座に起動。どんな攻撃を受けても、アルスの肉体は瞬時に回復する。 そして、地面を蹴って立ち上がると、バールを手に取り、終焉の根源の斬撃を正面から受け止めた。 だが―― 数的不利、圧倒的な体格差は覆せない。 アルスは次元の根源の拳を受け、吹き飛ばされ、そこに追い打ちをかけるように終焉の根源の斬撃が飛ぶ。 地を抉る鋭い波動―― その斬撃の軌道には、逃げ場のないユキの姿が……! アルス『クソッ……間に合わねぇ!!!』 ……そのときだった。 斬撃が**真っ二つに切り裂かれ**、爆発と共に霧散する。 ???『……大丈夫?』 煙の中から現れたのは、一人の少年。 彼は倒れたユキの前に立ち、手を差し伸べた。 ユキ『あれ……君は!?』 アレス『今は話してる時間ない。できるだけ早く逃げて――』 ユキは頷き、紫色のキューブを抱えて、遠くへと走っていった。 アルス『お前……アレス、だっけ?』 アレス『兄上の頼みだから……手伝う。』 アルス『……ありがとな! これで一人増えた。だったら――』 アルスは再び構える。 アルス『 本番開始だ。リハーサル無し、打ち合わせも無し……でも、連携はするぞ!』 ______________________________________________________ --- 第五十九話 中立 ???『……ダミーがやられたか。あれでもそれなりに強かったはずだが。』 ???『お忙しいところ失礼します。報告です。――"Nexus"という外部存在が、この世界の運命に繰り返し介入しています。良い方向にも、悪い方向にも……しかし、総合的には悪い方へ。』 ???『"Nexus"……まさか、“アルス=NEO”と同じタイプの存在では?』 ???『確かに似てはいますが、まったく同じではありません。そして何より問題なのは、"彼"が本来“軸”が決めるべき運命を勝手に書き換えている点にあります。これは明確な大罪です。彼は“救世主”であると同時に――“大犯罪者”なのです。』 ???『……世界は輪廻する。だが、この世界においてはそれは“初めて”起きた現象。唯一無二だった世界がループを起こし、分岐が生まれ、さらに他次元との融合が始まっている。』 ???『この現象は本来、定められたサイクルによって制御されるべきだが……"彼"が存在する限り、そのサイクルは壊され続け、“軸”の役割すら消滅する可能性がある。』 ???『……つまり、"彼"を止めろと?』 ???『その通り。ただし、侮るな。軽んじれば――こちらが“消される”可能性もある。』 ???『……奴の現在地を特定しました。しかし、これは……』 ???『あの周辺の“次元粒子”は極めて異質。もし彼が再びこの世界に姿を現すようなことがあれば――直ちに迎撃態勢に入る。』 ???『……まあ、やるしかねぇな。』 _________________________________ アルスたちは、激しい死闘の真っ只中にいた。 アレス『――《アルカナム・ヴァイス》。』 その言葉とともに、アレスの手に紅のクリスタル剣が具現化する。 アレス『終焉の根源は、僕に任せて。』 アルス『あ、ああ……!!(何も言ってねぇのに察した!?マジかよ…すげぇ。)』 黒き大剣と、紅の刃が火花を散らすように交差する―― 見た目の優雅さに反し、アレスの剣はとんでもないパワーを秘めていた。 剣が唸る。空間を切り裂く。 アレス『――《ディメンション・アンピュテーター》。』 その一振りで、次元ごと切断され、暗黒の空間が一部、剥がれ落ちる。 しかし、終焉の根源はそれを真正面から受け止め、傷一つ負わず、余裕すら見せる。 アレス『……やっぱり、それくらいは耐えるよね。』 次の瞬間――アレスの背中から、光輝くクリスタルの翼が展開された。 さらに頭上の光輪が一層の輝きを放ち、彼の身体からは無限にも等しい魔力が溢れ出す。 アレスは剣をゆっくりと構える。 その切っ先を、終焉の根源に向けながら。 アレス『兄上から教わった剣術……ここで披露させてもらうよ。名付けて――《Xeno style(ゼノ・スタイル)》。』 アルス『(おいおいおい……なんかヤベぇ奴になってるじゃねぇか……!俺まで巻き込まれて殺されそう……って、考えてる暇はねぇっての!!!)』 その瞬間、アルスの脳裏に―― 一人の子供の姿がフラッシュバックする。 それは現実のものではない。 彼が夢の中で出会った、謎の“ガキ”だった。 --- --- 第六十話 "全知全能"のチカラ 《アルスの精神世界》 ――真っ白な空間の中、少年が立っていた。 アルス『お前は……“全知全能”がどうのこうの言ってたヤツか?』 エル『忘れたの? 僕は“全知全能の神”――エルだよ。ずっと前から君の中にいる。 君が無意識のうちに“全知全能”のチカラを使えていたのは、そのせいさ。』 アルス『……質問がある。』 エル『いいよ、構わない。聞いてみな?』 アルス『まず、なんでお前が俺の中にいるんだ? あと、なんでたまに夢に出てくる? ついでに……なんでそんな偉そうなんだ。』 エル『私情が混ざってるなあ……。まあ、でも説明しよう。 僕はもう“前の世界”で肉体を失っていてね。今は意識だけが残された存在さ。 自分のチカラがこのまま消えていくのは惜しいと思ってた。 だから――可能性を秘めた君に目をつけた。“継承”してほしいんだよ、僕の“全知全能”のチカラを。』 アルス『なんで俺? 俺よりもっと強い奴なんて腐るほどいるだろ。……ネクサスとか。』 エル『それ、君が自分を過小評価してるからじゃないの?』 アルス『過小評価もクソも、自分がめちゃくちゃ強いなんて思ったこともねぇ。 強いやつはもっといる。現にネクサスとか……』 エル『……でも君は、仲間に恵まれてる。まず君は“ビアトリスの子”であ――』 アルス『わかった、わかった!うるさい、やめろ、その話だけはするな。 お前が俺の人生を全部見てるってことだろ!? 恥ずかしい過去もあるんだよ!』 エル『いやいや、誇るべきことじゃん。……このマザコン。』 アルス『……なにィ!? クソガキィ!!!』 エル『冗談、冗談! でもね、君にはこのチカラを扱える“ポテンシャル”がある。 戦闘センス、発想力、そして……“救いたい”という強い意志。 君の持つそれは、まさに“天力”だ。』 アルス『……つまり、お前の言いたいことは一つだな。 俺に、“全知全能のチカラ”を正式に継いでほしい……ってことか。』 エル『そう、その通りさ。 君の“人を救いたい”という意志が、ついさっきはっきり見えたんだ。 ……タイミングは最悪だったけどね。』 エルは小さな石のようなものを手に取り、アルスの手にそっと握らせた。 エル『僕が消える前に、すべてを託す。』 アルス『……なあ、ひとつ聞いてもいいか?』 エル『ん? どうぞ。』 アルス『お前、どうして死んだんだ?』 エル『……ああ、それ、言ってなかったね。実は――』 エル『復讐してほしい。僕を殺したのは……“αGodVer――』 ツー…ツー… ――通信のように、音が途切れた。 --- 《現実》 アルス『おいおい、ちょっと待てよ……話の途中だろーがぁ!!』 ――叫んだその瞬間、アルスは夢から現実に引き戻される。 ……だが、戻った先は最悪だった。 巨大な手に身体を掴まれ、身動きが取れない。 アルス『ああ、オワタ……出落ちやん……』 ザシュ――! だが、その瞬間―― その巨大な手が一閃で斬り飛ばされた。 アレス『アルス、大丈夫……? 気絶してたよ?』 アルス『……ああ。平気だ。何でもないさ。』 アレス『この状況で“何でもない”は無理がある。(……兄上が、何かを得た。確実に。)』 アルス『うっしゃあ!! 助けてくれてサンキュな! ここからは……俺も本気で暴れるぜ!!』 次元の根源は腕を再生させ、全身から異質な力を放出し始める。 危機を察知し、全力を解放しようとしていた。 その影響を受けるように、終焉の根源も静かに起動する―― キュイイイイイン…… 終焉の根源の胸部が裂け、そこから漏れ出す異界の光。 次元の根源の周囲には、“概念が溶ける”ような黒いオーラが展開されていく。 アレス『僕が全力で叩き込む。その隙を、君が繋いで。』 アルス『――当然だ!!!』 ____________________________________________________ 了解です! フリーレンの部分をコンパクトにしたバージョンを作りました。 全体の流れは変えずに、呼応するシーンだけシンプルにしました。 --- 第六十一話 激昂 終焉の根源がエネルギーをチャージすると同時に、暴風が戦場を襲い―― 次元の根源は地面に手を突き刺し、プラズマを迸らせる。 アルス『ヤベェのが来るぞ……気をつけろ!!』 アレス『大丈夫。』 《ジャーミネーション》 ――巨大な赤いクリスタルが地中から芽吹き、戦場全体を包囲する。 0イデム・リプロダクション0 アレス『奴らはこのままだと世界を終焉へと導き滅ぼす。 だが、魂の結合が一瞬だけ緩むタイミングがある。どうする、兄上?』 アルス『俺が分離させる。アレス、手伝ってくれ。』 アレス『了解。隙は作る。』 アルス『成功するかは知らねぇ。 だけど奴らの魂は“フリーレン”との絆で結ばれていた。 あいつがいねぇと動かすのは無理だ。』 アレス『もう時間がない。』 アルス『よし、やるしかねぇ!許せ、フリーレン!』 アレスは《アルカナム・ヴァイス》を片手に飛翔し、加速しながら2つの根源へ突進。 灼熱のプラズマをかわし、剣を振り抜く。追跡レーザーを消滅させる。 終焉の根源の背後に回り込み、神秘の万力でその鎧を貫く! 終焉の根源が倒れ込む。 《アルカナム・ヴァイス》は使用者以外が触れると圧倒的な重さを生む。 その重さが終焉の根源を押し潰していた――。 しかし次元の根源の渾身の一撃がアレスを襲い、地面に叩き伏せる。 アルス『一か八か……やるしかねぇ!!』 アルス『フリィィィィレェェェン!!!』 ―― フリーレン『今だな。すぐ行く。』 ―― アレスはもう一本の《アルカナム・ヴァイス》を抜き、二刀流に。 《ディメンション・アンピュテーター》で次元の空間を切り裂く。 終焉と次元の根源は抵抗するが、アルカナム・ヴァイスの力は止まらない。 アレス『今だ!いける!』 アルス『久しぶりのタッグだな!』 フリーレン『ああ、行くぜ!!』 二人の力が融合し、《EMPYREAM・SPHERE》という光球となって根源を包み込む。 二つの根源は魂から切り離され、咆哮をあげながら消滅へと向かう。 アレス『逃がさねぇ……』 アレスは“それ”に触れ、ブラックホールのように物体化させる。 ヒルベルターと神王は地面に倒れ、気絶していた。 アルス『今度こそ……本物だな。』 フリーレン『無事で良かった。』 アルス『ユキは?』 アレス『プリズム・フォレストに飛ばした。安全だ。』 --- …………… いい感じの続きですね! ここも読みやすく整理してみました。 --- 第六十二話 創価 ゴンゴンゴン… 混沌の王『俺としたことが…油断したか…。』 混沌の王の姿が変わり… 虚無の王『次は…誰だろうな…。』 ―― アルス『いつの間に?ま、ありがとな。サンキュー☆』 アレス『早く逃げてくれ…何かが来る、今すぐに。』 フリーレン『いや、俺たちも戦うに決まってるだろ。』 アレス『早く!』 アルス『フリーレン、従おう。俺たちは足手まといかもしれん。ヒルベルターと神王を抱えて安全な場所へ…!』 フリーレン『だな…うげっ…!』 アレスはフリーレンとアルスをポータルに押し込んだ。 何かが“無限の速度”で迫ってくる。 アレスは即座に戦闘態勢を取るが… 無限のスピードには敵わず、腹に手刀を受けてしまう。 アレス『うっ…速っ…』 ???『先程、異質なエネルギーを感じた…。この世界に存在してはいけない存在、ミステウスか…お前も“Xeno”か。妖気で丸わかりだ。』 アレス『誰だ?』 ゼロ・ブライト『俺はゼロ・ブライト。お前らを消しに来た…まあ、どうでもいいがな。』 アレス『予想外だな…また敵が増えた。』 アレスは《アルカナム・ヴァイス》を構える。 ゼロは攻撃を仕掛けるが、アレスはスピードに適応し躱す。 ゼロ『なかなかだが、好き勝手はさせないぞ。目的を言え。』 アレス『もう済ませた。だから戦いたくない。』 ゼロ『そうか…残念だが、存在抹消の命令は既に出ている。ここで引くわけにはいかない。』 《ZERO・DRIVE》 無と無限が交差し、アレスを消そうとするが、 アレスも『イデム・リプロダクション』と『ZERO・DRIVE』を使い応戦。 ゼロ『ただのコピーじゃないな…まさか…。』 アレスの能力は相手の魔力を理解し技を真似るもの。 アルカナム・ヴァイスで突くも躱され背後を取られる。 ゼロ『隙だらけだ。』 アレス『しまった…!』 ゼロ『じゃあな、消えてもらう。』 ゼロがアレスの存在を消そうとしたその時―― ネクサス『させるかよ。誰の命令で?』 《DEATH・DISTORTION》 ネクサスの一撃がゼロを襲う。 ゼロ『油断したな…なかなかいい攻撃だ。』 アレス『兄上…!』 ネクサスはアレスの頭を撫でる。嬉しいのか? ネクサス『よくやった。危険だから早く帰れ。お前の責任じゃない。後は俺がやる。』 アレスはその言葉に従う。 ゼロ『現れたか…。』 ネクサス『お前…俺の妹に簡単に手を出せると思うなよ。俺がいる限り、妹には手出せない。』 ゼロ『妹?笑わせるな。』 _____________________________________________________________________ 第六三話 戦死 プリズム・フォレストでの出来事。 アルスとフリーレンはビアトリスたちとは別の場所へ転送されていた。 ユキ『きゃっ!?』 アルス『…よかった。まずはユキを救えた…』 フリーレン『”まずは”ってどういうことだ?』 フリーレンはアルスのトレンチコートのポケットに入っていた“黒い手袋”を見て察した。 フリーレン『ああ…悪かったな、アルス。俺のせいで時間を無駄にしてしまった…』 アルス『仲は取り戻せたが、この件に関してはまだ許せていない。でも、こいつらを救ったように、新月も救おうぜ!』 フリーレン『ありがとな。でも、お前、混沌の力はネビロスに奪われたんじゃなかったのか?』 アルス『大丈夫☆ なんか“新しい能力”を手に入れたみたいだ!あっはっは!』 ユキ『話してる途中だけど…アルス君、ナユタが戻らないの…』 アルス『そのキューブは…ナユタか?』 ユキ『自分の力で何度も時を巻き戻そうとしたけど…何もできなかった…』 アルス『またキューブの状態に戻ったのか…』 ユキ『また、って…?』 アルス『ナユタと出会ったときは複雑だった。もともとナユタはそのキューブの状態だった。俺が触れたことで反応し、姿を変えたんだ。触れた者を再現する性質を持っているが、当時の俺は混沌の力を持っていたため完全再現はできず、性別も違っていた。そこからいろいろあって、俺はナユタに名前をつけたんだ…。』 ユキ『これが本来の姿ってこと?ならまだ大丈夫だよね?』 アルス『残念だけど、俺がこのキューブを変化させたのは“奇跡”だとナユタが言っていた。しかも効果は一度きり。致死量の攻撃を受けるとキューブに戻ってしまうらしい…。』 アルスは泣いていた。ナユタは、ずっと双子のようだったユキを守ってくれた大切な仲間だったからだ。 ユキ『…嫌だよ、そんなの…』 ユキも泣いた。 アルス『こんな別れ方になるとは思いたくなかった。あんまりだ…でも死んでるわけじゃない。この姿に戻ったのは、まだ救える可能性があるってことだ。』 ユキ『本当?』 アルス『“どこかの誰かの言葉だ”…まだ終わってないのに諦めるな。糸口がなくても諦めねぇ…』 ユキは涙を拭った。 ユキ『うん…!』 フリーレン『アルス、こいつらの責任は俺の責任でもある。許してくれ…必ず救う方法を見つける。』 アルス『嫌だなー、最高神が頭を下げるなんて、らしくねえぞぉぉぉ!』 フリーレン『本当にお前ってやつは…』 ―― 白い空間で… ネクロ『…ここはどこだ…生命の鼓動がしない…。』 どこからか咆哮が響く。 ネクロ『なんだ、この音は…』 ズガガガガガ!! 咆哮と共に空間が塵と化す。 塵が消える間もなく、 《クロノ・レクイエム》 ネクロ『っ…!!』 闇の空間で斬撃と打撃が飛び交う。 ネクロ『当たれば死ぬな…』 軽々と避けながら、 ネクロ『久しぶりだな…これを見せるのは…』 長い銀髪は星の光のように煌めき、瞳は金色で時計の針のようにゆっくり回る。 白銀と青の女神装束を纏い、背には光と歯車の紋様が浮かぶ。 その姿が見えた瞬間、時間が静止した。 禁忌の幻龍『…ただの凡夫ではなさそうだな。』 ???『ただの凡夫に見えるのも無理はない。』 Cronos=Memoria『さあ、始めようか。』 禁忌の幻龍『そう言えるのも時間の問題だ。』 ―― 荒廃した跡地。 一人の男が刀を構え歩み寄る。 ???『………』 地面から無機物のような冷たい者が出現。 向き直ったその瞬間、 ゴゴゴ…バゴォォォォン!! 男が八極拳で無機物を吹き飛ばす。 無機物は瓦礫に埋もれる。 その瞬間、無機物のような者が無数に空から現れ、男を囲む。 ???『ほう…近づこうというのか…』 ザッザッザッ… 無数の足音が静寂の大地に響く。 ???『構わぬ…好きなだけ近づけ。ただし、“これが最後だ”。』 男の言葉と共に戦いが始まる。 一人の男は次々と無機物を一撃で返り討ちに。 近づいて攻撃しても全て避けられ、即死の拳が飛んでくる。 寄ってたかっても… ???『ふん…!』 竜巻のように薙ぎ倒す。 その瞬間、 《九喇嘛八極拳・零》 ???『終わりだ…。』 ゴォォォン…!! 無数の人影は塵と化す。 同時に空間の様子が変わる。 ???『まさか…幻覚だったのか…。』 男を見下ろす人影が二つ。 ???『あれは…クレイド・フォージ…。』 バゴォォォォン!! 山岳が吹き飛ぶ。 2つの人影は山岳から跳躍。 ???『ほう?面白い…空間跳躍か。我が黄帝“雷光”が貴様らを斬り伏せる。』 雷光『『虚構の嵐』イリュージョン=レインと、『呪縛の刻印師』シャドウグリフ…』 --- 第六十四話 『"集結" クレイド・フォージ』 ゼロ『分かり切っている…… Nexus。お前がXenoVerseから来たことなんて…。』 Nexus『何をしたって俺の勝手だろ?』 ゼロ『俺の目的は世界の調和。お前は…それに反する。』 Nexus『厄介だな…。』 ドガァァァァァァァァァン!! その瞬間、漆黒の打撃がどこからともなく繰り出される。 ゼロはそれを受け流した。 ゼロ『なんだ…!?』 現れたのは… ???『残酷だが…惨劇になりそうだ…。』 ゼロ『ちっ…!(こいつ…前に俺とやり合ったコズミックブレイクか…)』 Nexus『一旦休戦だ…こいつをどうにかしなきゃ間違いなく死ぬ…。』 コズミックブレイク『俺が許すわけもないだろう…大丈夫だ。死んだら存在が無くなるだけだ。 何も心配することはない…』 ネクサス『勘弁してくれよ…しかも、本体まで来てさ…悪いが面倒事は増やさないでくれ』 コズミック『無理だな…だってお前、NEXUSを封印しに来たんだからな…』 ネクサス『お前は“前の世界”で誰にやられたと思ってんだ…』 その時、白く眩しい扉が開かれた… ゼロは頭を下げる。 ゼオス・アルバリオン『まさか…お前がここに来るとは予想外だった、コズミック……』 ネクサス『お前がリーダーか…中立者よ…。クレームが山ほどある』 ゼオス『聞いてる暇なんてねぇだろ?貴様みたいなののために… ゼロ、起き上がれ』 ゼロ『了解』 張り詰めた空気…三つの勢力が今にも衝突しそうだ。 ネクサス『さあ、どっちを選ぶ?世界を支配しようとしている奴か、調和を邪魔する俺か…』 不用意に動けば“死”が待っている。 睨み合いが続く中、最初に仕掛けたのはコズミックブレイクだった。 彼はネクサスへ向かって突進し、黒き拳で空間を抉る。 ネクサス『痛ぇな』 ネクサスはコズミックの腕を掴み動きを封じる。 ゼロとゼオスの攻撃を防ぐ盾の役割にした。 コズミックはネクサスを跳ね飛ばし、ゼロの顔面を掴んで地面に叩きつけようとする。 ゼオスはそれを許さずネクサスへ攻撃しようとしたが、邪魔される。 ネクサス『まずは自分のことを心配しろよ』 ゼオス『俺たちだって冷静に考えてるんだ』 ゼロはコズミックの顔に蹴りを入れて後退させた。 この戦いは、動くだけで“隙”になりかねない。 だからネクサスは不利だった。どちらも自分を狙うため、最悪3対1になる可能性がある。 この戦いは無限の宇宙を揺るがし、プリズム・フォレストでも大地震のような揺れが観測されていた。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― プリズム・フォレスト。 突然地面が大きく揺れ、周囲の木々が激しく揺さぶられる。 アルス『なんだ!?』 ユキ『ぎゃああああああ!!!!!!!!!!』 フリーレン『あの野郎、コズミック・ブレイクだな…!』