貴方は気づくと見知らぬ街に辿り着く、霧がかかった行く手を振り切った先に見えた街の風景。 鉄筋コンクリート造りの古めかしい住宅街の向こうに聳え立つ超高層ビルの群れ、空には飛行船のような不思議な物体が右往左往に飛び交っており、周りを見回すと祭でも開かれているかのように街の住人から屋台まで歓喜の声が弾け飛び、騒々しい程に紙吹雪やら風船やらが散見される。 私は街の熱気に圧されて一歩引き下がる、すると誰かと肩がぶつかり、思わず振り返る私を見知らぬ相手は宥めた。 「いいよ!いいよ!大丈夫、減るもんじゃない」 一見ひょうきんそうな男が私を見てそう呟いた、続け様に…… 「君ぃ、街の住民じゃないだろ?」 男の指が私を指し示す、私は少し身構えた。 「‥‥‥‥‥‥」 「あれ?、え〜とぉ、もしかして俺って疑われてる!?」 自分自身を指差しながら驚いてみせる男が笑いながら私に語りかけてくる。 「俺はこの街の案内人だ!、よろしくな!」 案内人……?、つまりはガイドか…? 「俺はアンタみたいな奴はぁごまんと案内してきた、俺に任せれば大丈夫さ!」 自信あり気に言い切った男、少し暑苦しいが頼らざるを得ないというのも事実……私は意志が揺らぐ。 「‥‥‥とりあえず、飯にすっか!」 男がそう言って肩を組んでくると私を強引に歩かせた、力が強い、引き剥がせない……!? 「待て!?、私は金を持っていないぞ!、それに此処での通貨も知らないぞ!」 「んっ?、あ〜いいの!いいの!、そんなの気にしなくていいの!、此処は外部の人間に優しいからねぇ〜、街に居る間の諸々は何とタダ!、ちなみに同行中は案内人の俺もタダなんだぜ〜」 にやり、と笑う男の顔を殴り飛ばしたいのは山々だが、この街を知らない以上は下手に動けないのも事実である。私は不服ながらに受け入れた。 「……分かった、しかし条件がある!」 「おぉ〜、分かってくれた?」 「まずは私から離れろッ!」 男の方足を踏みつける、メキリッという音と共に男の腕が私から離れた。 「ぐっ!?、く………ダァ〜ッ!、いててて……」 大袈裟に騒ぎ立てる男、周りの住民は気にも留めずに相も変わらず各々が好き勝手に騒ぎ続けていた。 「特段、痛くも無い癖にうるさいぞ」 恐らく男にダメージは無い、実際は痛みさえ感じていないであろう事は明白であった。要は私を男は揶揄っているのだ。私は舌打ち交じりに男をジロリと睨みつけた。 「いいか!、お前が私を案内すると言うのならば好きにするといい! しかし、私には決して近寄るな!、決してだッ!」 「そんな〜、仲良くしましょうよぉ」 男が一歩近づく、瞬間に私の拳が男の顔面へと迫る。 「‥‥‥今回は警告だ、今度また私の3歩圏内に入ったら容赦はしない!、絶対にだ!」 「おー怖っ!、そんなに怒らなくても、可愛い顔が台無しだぜぇ?」 【まだ執筆途中】