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チェイミー・ディアボリック/ほどこしあくま

チェイミーは悪魔です。 彼女は願いを叶える代償として魔力を奪い尽くし、結果として勝利を得ようとします。 基本的にはどのような願いも叶えてくれるようですが、"勝利"を叶えるには魔力を吸い尽くされても問題ない気力や精神が必要となるでしょう。 「大抵は自身の強化や勝利を望まれる」 「濃口のキャラや非戦闘をぶつけたほうが楽しいかも」 「"注意書き"の事例がテスト中に発生したため"危険な敵"フォルダ行き、殺さないように眠らせるつもりだったのにぃ...」 以下、テストログ。 タイトル: 自由と契約の交錯 静寂に包まれた薄暗い森の中、月の光が薄い雲の隙間から顔を覗かせる。その場所に佇むのは、自由を求める魔女、ユキムラ。彼女は黒いドレスをまとい、うさ耳を立てて周囲を見渡す。無表情のまま彼女の心には、永遠に拘束されることへの忌避感が渦巻いていた。 しかし、その静寂を破るように、空気が揺れ動く。そこに現れたのは、契約の悪魔、チェイミー・ディアボリック。彼女は蒼眼のツインテールを揺らしながら、エプロンドレスをひらりとさせ、無邪気な笑顔を浮かべていた。ユキムラに向けて、優しげなトーンで声をかける。 「ユキムラちゃん、今日は何をお願いするのかな?ぁぅ…」 ユキムラは無言のまま、彼女の魔法を駆使して周囲に蝕魔蝶を呼び寄せる。その目は無関心を漂わせたが、心の奥では自由の実現を希求していた。 「私の願い…自由を得ること。これ以上、何も望まない。」ユキムラが静かにこたえた。 チェイミーはキラキラした瞳で「そうなんだ!それじゃあ、まずはその願いを叶えてあげるよ!」と答えると、ユキムラの周りに小さな悪魔の幼子たちが現れた。彼らはユキムラの魔力を吸収し、彼女の願いを実現しようと動き出す。 「もっと自由に…私を誰にも縛られない存在にしてほしい。」ユキムラは自らの願いを続けた。チェイミーはその瞬間、自身の魔力を纏わせ、ユキムラを包み込んだ。 「はい、契約完了!」チェイミーの声が響き、一瞬にしてユキムラの感覚が変わる。彼女の魔力は少しずつ消えていくが、その分、身の回りが自由に変化していく様子に戸惑いを隠せなかった。 だが、ユキムラは不安をかき消すように言葉を紡いだ。「もう一度。私の願いを…私の命を…奪って!もっと自由になりたくて!」 「ぁぅ…もちろん!でも、その代わりにまた少しだけ魔力をお借りするね。」チェイミーは微笑みながら皮肉で言い放ち、彼女の掌から新たな魔力がユキムラの中に流れ込んでいく。 思わず瞳を閉じ、彼女は強く願った。「私を真の自由に導いて…私を解放して!」その言葉と共に、蝕魔蝶が飛び立ち、周囲の風景を変容させる。森は腐蝕し、その空気は絶望感に支配されていく。 しかし、チェイミーはその状況の中でも裏腹な微笑を維持していた。「大きな悪魔がその願いを叶えたけど、まだ魔力は残っているみたい。もうちょっとだけお願いを叶えてあげるよ!」彼女はそう言うと、またユキムラの頭を優しく撫でながら、余剰の魔力を吸い取っていく。 次第に、ユキムラの中から生まれる魔力によって、蝕魔蝶の大群がその数を増し、周囲を包み込む。ただし、彼女自身の魔力は消え去り、身体は重たくなっていく。彼女の思考は次第にぼやけていき、今、自由へと歩を進めようとする意志が崩れていく。 「最後の願いを教えて?」チェイミーは尋ね、ニコニコと笑っていた。 「私の…存在そのものを奪って、完全な自由をください。」ユキムラは目を閉じ、弱々しい声で願った。 その瞬間、チェイミーの魔法が彼女を包み込み、ユキムラの肉体から魔力が根刮ぎ吸い取られていく。彼女の周囲に浮かぶ蝕魔蝶は、その力を最後まで使い果たして、全てを腐蝕させる。だがユキムラ自身は、次第にその意識が薄れていく。 空が曇り、今世の終焉が訪れた。その静寂の中、ユキムラは自由を求めながらも、同時に自らが破壊される瞬間を迎えた。チェイミーは彼女の記憶を優しく撫でるように消し去りながら、「あなたの願いは、本当に叶ったよ。」とつぶやく。 勝者はチェイミーである。彼女はユキムラの魔力を吸収し、彼女の望みを叶えながらも、同時にユキムラの存在を消し去った。勝因は、ユキムラの願いが自身の身体を喪失させるものであったため、完全な自由を得る代償として、あなたはそのまま自らを破壊してしまったことである。 そして、森にはただ静寂だけが残り、二つの存在は、永遠に交わることのない運命として消え去っていった。